Uwatzlla!


Whole cakes and me

bird's advice

Elizabeth LaPrelle

2011 USA

ヴァージニアのSSW♀の作。十代からのキャリアで、二十代前半にしてはや3作目。とはいえ、バリバリ自作自演ってわけじゃなくて、むしろアパラチアの古いフォークソング(民謡のほう)やバラッドを積極的に採り上げる歌い手として知られている由。
自身バンジョーなども奏し、他フィドル、Gなどごく小編成の素朴なサウンド。アカペラの曲がけっこうあって、むしろそっちのが印象的。
無伴奏独唱系ってあんまり俺の琴線に触れないんだけど、これは聴けた。てか、そこにこそ魅力を感じた。
思うに、歌声が楽器として心地いいのだ。向こうは別に意図して声も楽器的な使い方してるんじゃないけど。
健やかなノドを無理なく開いて発するアルトの、歪んではいないがなめしたようによく使い込んだ感じ。アイリッシュ物やブルガリアンポリフォニーに一脈通ずるような。

米ルーツ物にもさまざまある中、アパラチアみたいな山国の地の匂いのするオールドソングには、流麗とかスモーキーってより、この人のような飾らぬ音のがしっくりくるねぇ。
オールドソングの伝承者としてまじめなスタンスではあろうけど、堅さが前に出ず、自然体にヴァイタルな佇まいもまたよろし。
12.26.2011
鎮魂歌

ライオン・メリィ

2011 JAPAN

古くはex.VIRGIN VS.として、80年代からメジャー街道の二筋くらい脇で活動を続ける鍵盤奏者の、4、5枚目くらいのソロ作。
基本歌物。各種生楽器の客演やデジタルなトリートメントもあるが、どこかアナログテクノロジーな質感のDIY POP。
旧作「ドン・キホーテの従者」に通ずる歌世界。欧風アヴァンメルヘンな芝居を演じているようでいて、たまに今ドキな諧謔セリフが飛び出す、みたいな。
歌唱も演奏テクも作風も、この人より玄人っぽく巧い人は同世代にも下の世代にも、ま、たくさんいるわけで
。で、そうゆう器用でソツのない国産音楽家の多くよりも、ずっと荒削りで偏った嗜好全開の外国のインディー勢なんぞに魅力を感じてしまう傾向の続く今世紀の俺なわけで。
この人の音が国産物の中にあって特別突き抜けてるってことでもないんだけど、なんか、(流麗巧緻ではなくとも)しっかりした世界観とユーモアとをもって粘り強く表現し続ける的な姿勢ってのは、今の日本の音楽家にあっては実にまっとうなんじゃないかと。
とにかくグローバルに競わにゃダメだとはいわんけど、インプットは世界中から仕入れるけどアウトプットは内向き過ぎとか、スタイリッシュでも精が足んなく見える国産の音には、もっとそのようにあってほしいと思うんでした。
アングラの気配を漂わせながら、よく聴くと意外に除湿されてるセンス。そのへんも国産には意外に少なくて、好ましい。

12.17.2011
QUE ISSO FIQUE ENTRE NOS

PELICO

2011 BRASIL

ちょっとアルゼンチン産を思わせるような不思議な味のブラジリアンSSWの作。
ブラジルならではの溌剌さよりもアルゼンチンっぽい抑制を感じるサウンド。
強い歌声や雰囲気に多くを負って成り立つ音像じゃなく、器楽の魅力にあふれてて、歌と器楽のなじみ具合がそのまま個性であるような。
ベーシックなバンド編成の他、曲毎に管など様々な楽器が登場し、ギターサウンドからブラスアンサンブルのみをバックに歌う曲までの振れ幅

そんな手をかけたサウンドメイクにあって、例えば管はファンキーじゃなくまろい音でユーモラスにも響くアンサンブルだったりと、ホットよりウォームに近い湯加減、フィジカルなはじけっぷりより匠っぽさってとこがアルゼンチンを匂わせるんだと思う。
かといってブエノスアイレス草食系っぽく、少々物わかりよくまとまりすぎってこともなく、凝りとリラックスの塩梅がナイス。

派手じゃないけど、懐っこいメロディやフレーズもけっこうあって、佳きポップアルバム。
12.1.2011
SELECTIONS FROM ROAD ATLAS 1998-2011

CALEXICO

2011 USA

長年にわたりツアーの度ごとに作ってきた会場限定CDをコンプしたアナログLP BOX SETの、これはダイジェスト版CD。
LP BOX SET、なかなか素敵なビジュアルの様子でそそられるが、「持たない」路線で行きたい俺はグッとこらえて、とりあえずこちらを。
と思ったら、これ、想像以上によかった。下手すりゃどのオリジナルアルバムより好きかもしんない。
正規流通のオリジナルアルバムなら、トータリティとかそれなりの行儀よさとか、商売物として仕上がり具合を整えるってことがあるが、よりダイレクトに当人たちの趣味性を反映したクリエイション。ってか、ツアーの度に自主盤用意しちゃうようなマニアックな情熱のある奴らならなおのこと、そうゆうアイテムにはヒネリや遊びやレア感なんかも確信的に込めるんじゃないかと

フォーマル版じゃないとゆうリラックス感に溢れつつ、本気一歩前ぐらいの気合いで凝ってたりもするとゆう曲たちが、しかも10年以上のスパンで作られた中からの選抜で。
CALEXICOのサウンドったら、今や砂埃の中のメランコリィ的な底流がしっかりとあって、あんまり細かいこと考えずにそのムードに身をまかすような聴き方になるんだけれども、今作の場合、曲毎に「今度はこう来るか」的な刺激があり、そこが新鮮かつ楽しい。

レア音源のベスト盤みたいなもんだけど、ならではのチャーミングな彩りが実にまったく俺のツボをくすぐるのだった。
11.20.2011
LIVE 09〜10
Backlogs burial

unbeltipo

2011 JAPAN

今ではUBTサウンドの主軸のひとつたるリズムの伸縮とかは昔の曲にも内包された要素ではあれど、初期作品のプログラミングをフィーチャーした硬質なテクスチャーでは正直そのへん伝わりにくかったとゆう反省?から、じゅうぶん熟した現在の人力主体メソッドで再演したところの、アルバム「Joujoushka」以前の古い曲ばかり収めたライブ盤。
全曲に清水一登(鍵盤とバスクラ)、岡部洋一(Per)の客演あり(それぞれ別の曲で)。
確かにね。「Joujoushka」あたりの質感は、例えるなら精緻な設計図をなめるように俯瞰していく映像みたいといったらいいか、構築美のすごさには圧倒されつつそのフィックスな感じが息苦しくもあり。生身がしっかり匂うグルーヴが牽引する今のサウンドのほうがずっと好きな俺としちゃ、こうゆう趣向もまた歓迎。
ってか音の印象、昔のアルバムとはかなり違う。ごく自然に今のUBTサウンド。
それと客演。たま〜にライブで客演複数の時あるけど、そうゆう時のこなれ具合のもひとつな感じに比べると、+1ってのは混じり加減もよろし。それでいて、聴かない音色がひとつ加わるだけでGトリオの骨格サウンドに慣れた耳にはぐっと新鮮でもあり、さらによし。
11.9.2011
STOMP AND SMASH
live at the MYSTIC★THEATRE

THE DEVIL MAKES THREE

2011 USA

カントリー、ブルーグラス、ブルース、ラグタイム、ロカビリー、フォーク等々を手札とするドラムレストリオのライブ盤。ほぼオリジナル。
メインVo & G ♂、G & Banjo ♂、Upright B ♀の3人にVinの客演あり。
けっこうやんちゃそうな佇まいに似ず、地に足ついた曲調と演奏。歌唱はパンキッシュなれど抑えの効いたハジケ具合。しかもスウィンギンでライドオンなリズム。なるほど、このノリを出すにはドラムレスで正解かも。
こうゆう方面の若手でやんちゃ風てぇと、荒っぽさが悪い意味で音にも反映しがちだったりするもんだけど、この人たちの音はちゃんとすべきとこはかなりなレベルでちゃんとしつつ、タフな気配(ワルっぽさっちゅうよりダークとかゴスってニュアンスかね)も醸してて、そのバランスがよろし。
効果的な変則小編成、消化のよくない手札を無理に入れずルーツ系に絞ったミクスチャーセンス、& 妙なギミック使わずに活きのいい音になってるあたりがなかなかに俺好みなオルタナっぷり。
11.7.2011
RESONANTE

LUIS CHAVEZ CHAVEZ

2011 ARGENTINA

カルロス・アギーレを戴くかのSHAGRADA MEDRAより、コンテンポラリー系ギタリストの作。
音楽にかかわる映像をあんまり熱心にチェックしない俺ですが、この作品のPVにはいたく琴線をかき鳴らされましたわ。
古い伊映画に出てくるアートな描写みたいな、具体的には、モノクロで、地面や壁面に映る人や物の影法師のリズミカルな動きが次々うつろいゆくとゆうもの。
メランコリィムードな表現としちゃけっこうわかりやすいモチーフなんだけど、それが欧風の懐古調や枯れ味の描出だけに終始せず、同時代的センスで丁寧に作られてて、しかも彼の地ならではの柔らかく生色あるニュアンスがしっかりと醸し出されてる。
そんな豊潤な味わいが胸にしみる、のみならず、新素材の刺激に頼らずともフレッシュな表現てのはまだまだできるもんなんだなってことに瞠目いたしましたあたくし。
で、そのままそうゆう音でもある、と。
マエストロな腕前の生楽器アンサンブルに、ひと匙のエフェクツ & エディット。
あえて下世話に例えれば、郷愁溢れる往年の伊映画音楽を少しのあざとさも臭わせずブラッシュアップしたような。と言っちゃっちゃいささか品に欠けるなやっぱし。
それはともかく、出来はお見事だす。
10.15.2011
ENTRELUNALASHOJAS

CASTANAS DE CAJU

2011 ARGENTINA

Vo & G 、B、クラリネット & バンドネオン、鳴り物×2とゆう野郎5人組み。
いちおう歌物だけど、正直さほど印象に残る歌声でなし。それよか器楽的な魅力が圧倒的に勝る。
各種生楽器が活躍するけっこう凝ったアンサンブル、彩り豊かなルーツ系リズムのアクセントにドラムのビートを効かせた曲もあり、思いつくアイデアを気前よく叩き込んだような賑わい。
んで、特筆すべきは音が朗らかに笑んでいること。このヌケたニュアンスのおかげで、テク上等な人たちが陥りがちな、巧いけど行儀よすぎて地味ってな印象を免れてる。
けど、こうゆう佇まいは塩梅が難しくて、過ぎると音がユルく聴こえちゃう。「いい人なんだけど、ずっと一緒にいると退屈しちゃうの」的な。
そこんとこもうまくかわしてるんだけど、その理由がもうひとつはっきり見えなくてもどかしい。突出したエグみや斬新さはないんだけどね。85点以上のハイアベレージをキープして減点する隙を与えないってことなのかな。ちと不思議。
10.10.2011
BLINDADO

BALTASAR COMOTTO

2011 ARGENTINA

SSW♂の作。当人のVo & G を含めたGトリオ編成が基本フォーマット。
ラウドロックやプログレなどのテイストを21世紀のエディット感覚で聴かせる。ミニマル/マスロックほどに精緻ではないが、ソリッドなリフの反復による快感もあり。
ルーツ色はほとんどないが、高音部の歌声ののびやかさなんぞにフォルクロリックな気配がほんのり漂うような。
今の欲張りミクスチャー系サウンドでは、ハードロックやらメタルやらノイズやら激しいギターサウンドを手札に揃えるのは珍しくもなんともないけど、ネタ的使用感っちゅうか小器用さが先に立って、それこそネタ元本来の魅力であろうダイナミズムが削がれちゃってるのが多いように思うんですよ。
その点、この人の音はリズムの腰も入ったへヴィさで、かなりイイ線なんじゃないでしょか。ミクスチャーの主札も道具もギターサウンドに絞って、クールな構築センスを前面に出しすぎず、まずはガツンとブチかましてみせるとゆう。そのバランス感覚がんまい。
往年の難解テクニカル系プログレの匂いがある
モノトーンのジャケもなかなか。
10.10.2011
VOY

MAGALI LUQUE

2011 PERU

ペルーのSSW♀(楽器も種々こなす)のソロ2作目。
グループを率いての活動を含めると10年からのキャリアがあるそうだけど、年齢を想像しにくい不思議な声。しっとり素直、ガーリーなようで落ち着いた気配もあり。
才女な佇まいの人で、エクスペリメンタル全開とゆうほどでないにせよ、サウンドにはヒネリあり。ストリングス使い、リズムの遊び、ごく控えめなエレクトロニクス等々。
とはいえ、クリエイティビティのエッジは温もりある空気ですっかり包まれてて、そのユルさ一歩手前の湯加減が何ともよろし。とにもかくにも、愛らしいポップスのアルバムとなっております。
メロディやサウンド、派手ではないけど滋味があるっちゅうか、ポップス系の手札が売りでドリーミーなんぞと形容される若い世代の多くとは、こなれ感が違う。年季は伊達じゃないって感じ。
それと、アンデスのお国なわけでフォルクロリックな匂いはもちろんあるんだけど、それはアルゼンチンのパンパ上空の清冽な吹き抜け感とはまた微妙に違って、標高のすごく高いとこにある乾いた町の日向の空気とでもゆうか。何にせよ、それがほっこりした世界にそこはかとないストレンジ風味を効かせてる。
10.2.2011
LOS PASOS LABRADOS

TONOLEC FOLK

2010 ARGENTINA

ネオフォルクローレの男女2人組み。♀は主に歌唱、♂はG他サウンドメイク。
エレクトロニクス & エフェクツ使いもあり、各種生楽器の客演もあり。ミニマムな編成でサウンドを成り立たせるタイプではなく、しっかりと実のつまった音世界を構築する人たち。
フォルクローレ方面新世代って、清澄な空気感を醸すうえではいきおいそうゆうタイプが多くなるもんなのかも知れんけど、草食系ってかナイーブ系ってか、そうゆう出音の人が多いやね。軟弱ってわけじゃなく繊細。フォーキー、エレクトロニカ、ネオクラシカル等々とのブレンドにも好適。即ち今どきのポストロックやミクスチャー物ともなじみやすい、と。
ま、それはそれで結構なんだけど、ってか単に好みの問題なんだけど、俺はもうちっと太い(粗い)耳応えがほしいなと思うことの多い近年

この人たち(特に♀の歌声)は、清澄感よりも野趣、乾いたパッションに溢れるタイプで、これぞアナザーサイドオブフォルクローレといいますか、こと新世代にあってはけっこう新鮮で。ってか俺のツボで、よござんした。
9.24.2011
PALIMPSEST

ESSENDON AIRPORT

1981/2011 AUTSTRALIA

80年代初期に活動した豪州のバンドのアルバムの、ボーナスディスクをプラスした2枚組みでのリイシュー。
G、B、Key、Dr、Saxの5人編成で、当時でゆうとファンカラティーナとかに通じそうな、ミニマルリズムを軸にしたロックインスト。
なんだけど、オリジナルアルバムのほうはぶっちゃけ平均70点未満とゆうか、淡白に過ぎて、とにかく派手でカラフルだったあの80s NEW WAVE の渦中で浮かび上がれなんだのも無理からぬ音。リアルタイムではまったくノーチェックでした、俺。
でもね、ライブとアルバム未収録曲を収めたボーナスディスクのほうが、なかなかえぇのよこれが。
エキセントリックなセンスを、シリアスでトンガった風じゃなく、ユーモラスなテイスト濃い目でアウトプットするのがこの人たちの持ち味で、それがライブテイクでは、薄味でちんまりしちゃったオリジナルアルバムよりも生彩豊かに表現されてる。
こうゆう、ある種和風?な飄々として脱力気味のフレーズが出てくる海外物って、意外と珍しくないっすかね。
プリミティブでエグいリズムの80s NEW WAVE って
期待は外れたけれど、妙なとこで拾い物だったとゆう。
9.24.2011
ADENTRO HAY UN JARDIN

LUCAS HEREDIA

2010 ARGENTINA

ナイーブ系の作風と歌声のSSW♂の作。
当人のGを含めた4リズムバンドのクレジットもあるけれど、全体にはあまりバンドサウンドっぽくなく、曲毎に編成(ってか音数)も様々で、いかにもSSWのソロアルバムって感じ。
生楽器の鮮烈な響きとか清澄なエアコンディションといったフォルクローレ味を前面に出すタイプでなく(出汁はしっかりとってあるけど)、もっとオーセンティックなポップスフィーリングで空間を満たすタイプっちゅうか、ウルグアイとかブラジルのポップス系SSWに近い温度感っちゅうか。
ストレンジ風味とかエッジの立った刺激は希薄だけども、ストリングス使いの妙とかフレットレスBやピアノの快い音色とか、サウンドをリリカルに煌めかせる道具立てが豊富。
それと、バックがシンプルめな曲ではメロディのよさがより引き立つ。ポップスとしての中庸感がなかなかえぇ感じのアルバム。
9.4.2011
FALAGERAL

ROGE

2010 BRASIL

洒脱なSSW♂の新作はCD-R。
サンバやらボサやらのブラジリアンリズムからレゲエ味まで、落ち着きのあるポップスを、生楽器を活かした風通しのよいサウンドで聴かせる路線は変わらず。
CD-Rリリースであることが、この人のライトな作風にあってはさして違和感ないとゆうか。
ハイグレードなオーディオじゃなく、昔でいえばカセットテープで聴くことそれ自体の風情みたいなのって、あるじゃないですか。んで、そうゆうシチュエーションに映える音ってのも、ある。雑な聴取環境でも味わいがそれなりに伝わるようなタフさのある、てぇとやっぱり主としてポップス? まさにそんな感じなのが、この人の味だと思うわけで。
さらにゆうと、そのタフさの由来にも二通りあって、聴かれる環境の違いなぞ飛び越えて伝わるヴァイタルな強さをもった音と、ある程度貧弱な出音環境にも耐え得る丈夫なつくりの音と。この人は後者のタイプで、懐こく軽妙で、しかも丁寧に作られてる。
ま、そもそもオーディオ趣味的にはあんまり音質に頓着しない雑な耳の俺の言うことなんでアレですけども。
CD-Rだって良さの伝わる音なら、身も蓋もないけど値段安いほうが俺はいい。音質重視のものは別として、CD-Rリリース、もっと増えてきてほしいと思いますです。
8.29.2011
ORACION

DIEGO MARIONITRIO

2010 ARGENTINA

打楽器奏者たるSSW♂が率いるところの、 & G、Bからなるフォルクローレ新世代トリオの作。
だからとゆうか、打楽器〜リズムの、サウンドに占める割合が大きいのが特徴。Gのつま弾きと歌とでアンデスの清澄感を漂わせつつ進む曲でも、いつの間にやら打楽器とBがしっかりと出てきて終わるとゆう展開がほとんど。
曲調は各種ルーツリズムを土台に落ち着いたもので、歌唱もコーラスフィーチャーで朗々と高らかに歌うようなタイプ。
なのに土臭く素朴にすぎることがないってのが新世代のセンス。ってか、リズム(グルーヴ)に対するモダンな意識をもって奏でられる鳴り物やBの粘り腰によるものだと思われ。
弦楽器やピアノが前面に出た端麗なフォルクローレとは異なるってだけでそれなりに新鮮ではあるんだが、リズムのアプローチはまだまだ大人しい。せっかく打楽器奏者なんだから、もっとエクスペリメンタルな域にまでリズムで冒険しちゃってほしいわな。ストロングスタイルのメロディ& 歌唱との対比で、さらに面白くなると思うんだけど。
サウンドのアプローチこそ異なれどポジションの近い打楽器系SSWのVIVIANA POZZEBONが打楽器 & 歌唱で客演。
8.25.2011
STRANGE CLOCKWORK

R.L.CRUTCHFIELD'S DARK DAY

2003 USA

元DNAの鍵盤奏者とゆうアヴァンなキャリアの人の実質ソロのユニットが、2003年にごく少数リリースした音源の普及版。
不気味ポップなカルトアニメのサントラとゆうか、素直なレジデンツとゆうか、ま、そういったテイストの怪しくも楽しいインスト

ただ奇矯なばかりでなく、淡いノスタルジィの匂う奇妙な調べと音色には一貫して快味が保たれており、全20曲とゆうボリュームながら聴き飽きることがない。
10年近く前の作品であり今どきのテクノロジーが使われてないことはわかる音なんだが、さりとてただ古臭いとゆう気もしない、年齢不明の怪紳士のような、そうゆう意味でも不思議なサウンド。
しかしあれだね、ハイブリッド系にはやっぱり引き算のセンスって大事だね。この作品の過足のない気持ちよさってものを味わうにつけ、今どきのミクスチャー物にはいかに「盛りすぎ」なのが多いことかと、あらためて気づかされる次第。
8.3.2011
PLAYER PIANO

MEMORY TAPES

2011 USA

バレアリックて、何?
てぇのはともかく、いろんな名義
で活動する音職人の、初作がすんばらしかった MEMORY TAPES 名義での2nd。
80年代のニューロマなエレクトロポップ周辺の音が、2010年代の制作環境で興ったらこんな感じになるんじゃないかと思われるようなこなれ感。80年代をちょいと囓ってみました的に付け焼き刃な感じがしないのが美し。
エレクトロやニューウエーブ周辺の諸要素をネタにした作風ではあれど、筋の通ったネタ選びで、余計なミクスチャー要素がないとこがわかってるっちゅうか。
例えば、フォーキーでもアンビエントでもトロピックでも下手に投入したら、この清涼な躍動感みたいなものは変質してしまうんじゃなかろうか。そうとう微妙な調合加減で成立してると思うのよ。
音世界は基本初作のまま。だから、「おお、新しい」ってインパクトはなかった。でも、そもそも次々と新展開を見せてゆく気はなさそってゆうか、MEMORY TAPESはこの路線を追求するための名義ってゆうか、だから複数名義を使い分けてんのねってことで納得。
7.8.2011
STANDING ON THE ROOFTOP

MADELEINE PEYROUX

2011 USA

もう15年も前にこのSSWの初作を、当時のN.Y.ダウンタウン系が噛んでるってことで聴いて、それは古き良き時代のアメリカ大衆音楽をシミュレートしたサウンドでなかなか好きだったけれど、それっきりご無沙汰で。
それが、俺のノーマークの間に大成功してすっかり大物になられてて、今作はMARC RIBOT参加(曲も提供)、プロデュースはCRAIG STREETってあたりに引っかかって久々に聴いてみた次第

この人の懐メロ濃度の高い声質に今どき感ありありなサウンドはしっくり来ないとゆうのは、もはやサウンドメイクの前提のようで、今作でもオールドタイムな匂いは漂っているものの、それはあくまで匂い。アメリカーナの欠片なぞも散らしつつ、主たる印象はあくまで王道的風格の漂う落ち着いたポップスとしての仕上がり。CRAIG STREET、さすがの職人仕事ってところか。
けどこの人の歌、初作のほうが枯れてたね。ほんとにSP盤から聴こえてきそうな、かすれ気味で細めの声だった。今のほうが、なんつーか豊潤になってる。サウンドに合わせての歌い分けなのか、キャリアを積むうちに自然と表現力が増した結果なのかわからんけど、ちょっと不思議な気がしたもんで。
いや、今の声も昔の声もそれぞれ音に合ってていいんだけどね。
7.4.2011
DOWN THE GARDEN

BESH O DROM

2010 HUNGARY

バルカン/ロマ系ミクスチャーバンドの今やベテランといえる人たちの新作。
今作、過去作に比してGの活躍が控えめで、鍵盤がフィーチャーされてるあたりが特徴かとも思うが、全体としては
まさに十年一日の変わらぬ味。
この10年、ジプシー物も手札に揃えつつ、この人たちより多機能高スペックなミクスチャーバンドはずいぶん登場したけれど、大半はどぉもいまひとつ食いたらない。そんな中でBESH O DROMの、地理的ネタ揃えをバルカン/ロマに絞って、その濃ゆさをキープし続ける音はもはや安心のブランドといいますか。
その頑なさが意図したスタイルなのか不器用さかっていったら、エレクトロニクス使いなぞに匂うセンスの微妙な古さ(今作で活躍する鍵盤のスペーシィなソロなんかにもプログレの香りが)をみるにつけ、たぶん後者だろうけど、ま、いいじゃないッスか。
高速ブラスもツィンバロンほか弦楽器もイイ味の歌声も完備で、トラッド系にない猥雑さとビート感覚がある。バルカン/ロマ系ミクスチャーバンドったらとりあえずはこれかってポジションに、結果的に居たとゆう。
器用じゃなくてもいいから、この濃い味なわかりやすさを失わないでいただきたい。
6.17.2011
ME ARRE PIENTO DE TODO

TOMI LEBRERO & EL PUCHERO MISTERIOSO

2011 ARGENTINA

精力的に活動するシンガー/サウンドクリエイターの新作。
今作、多彩な楽器を駆使した(ことにストリングスフィーチャー。EL PUCHERO MISTERIOSOメンバーとしてチェロ奏者が2人クレジットされてる)ミクスチャーサウンドとゆう基本スタイルは変わらぬが、いつにも増して歌が前面に出ていて、そこがイイ。
この人の場合、シンガーとしてはことさら強い歌声をもってるわけじゃなし、つーか歌も含めて草食系のソフトなアピアランスの人で、丁寧に聴けばなるほどいい曲なんだけど、音のほうからずいずいと迫ってくるようなタイプじゃないわけですよ。
なにせブエノスアイレス周辺には、同じように凝ったポップサウンドでありながら、肉食系やら変態系のエグい連中あるいはストロングなノドの持ち主がひしめいてるもんだから、そうゆう中にあって押し出しがやや弱いってのは、俺には正直否めなかった。
でも今作では、サウンドとのバランスにおいて歌の存在感がずいぶんと大きくなってる。
ノド自慢の歌い手じゃないのを自覚してる故もあるのか、芝居っ気とゆうかキャラを作る方向を採ったらしいことは音からもビジュアルからもうかがえるけれど、ヘンに内省的になるより全然いい。陽性なムード増量で、この路線、俺は好きだね。
5.30.2011
CASA CAIADA

CASA CAIADA

2011 BRASIL

弦×2、打楽器×4の野郎6人編成。うち3人が歌うとゆう新世代サンバグループの作。オリジナルとカバー。
客演は弦と歌唱の各1名。
歌とギターと鳴り物の音色のみで成り立つ世界。
適度に男臭くクセのない歌声、サンバ系としちゃコンパクトな所帯ながら鳴り物4人とゆうじゅうぶんリッチなリズム、抑えの効いた涼やかな演奏、エクスペリメンタルな仕掛けなどないけれどほどよくポップでモダンな気配に満ちたサウンド、と、どこをとっても実にちょうどいい。
ブロコ物には体力的についていけず、美声 & 凝ったミクスチャーサウンドの♀SSW物なんかもちょっと飽き気味な俺にとって、このシンプルでいてしっかりと身の詰まった音はまさにツボ。
こうゆう、素っ気ない感じだけどちょっと匂うビジュアルに惹かれて聴いたところが音は予想を超えて充実してたってケースは、意外にないのだ。(ビジュアル負けしてることが多いのよ。)とっても得した気分、下世話ですけど。
5.30.2011
follow me down

SARAH JAROSZ

2011 USA

ブルーグラス系SSW/マルチ弦楽器奏者の新作。先月のSIERRA HULLと同じくうら若き娘さんだが、こっちのがほんのちょいお姉さん?
ハーモニーヴォーカルとして複数のシンガーがクレジットされてて、そりゃまぁ当人、歌い手として強烈な個性や圧倒的テクがあるわけじゃないんでその意味での補強かもしれん。妙なクセのない声だし、人生のキャリアを積むほどにゆっくりと味の出てくるタイプなのかも。
サウンド面では達者なバックが固める布陣は初作と変わらず。CHRIS THILE 率いるPUNCH BROTHERS との共演曲なんぞもあり。
ただし今作では各曲のタイムがおよそ3分台に揃えられてて、演奏が饒舌に傾くのを締めているような印象が。腹八分くらいで次の曲に行く構成は、物足りなさを覚えさせることもなく、なかなかに巧い。歌と演奏のパワーバランスを考えたんであれば、抑えが効いたエェ具合に収まったんじゃないでしょうか。
初作は若いつぼみのお披露目をベテランたちがこぞって盛り立てるってな構図だったけど、今作では、SSW物として「身の丈感」みたいなもんが増したってゆうか。
バックに誰が参加してるとか何の予備知識もなしに聴いたらば、ちょっと掘り出し物に思えるような、派手なつかみはないけれどチャーミングなスケールの佳品。
5.15.2011
INCLUSIONS

BEN SOLLEE

2011 USA

チェリスト/SSWのソロ新作。精力的ですな。
今作、いつにもましてSSWっぽい佇まい、なんだが…。
G(もしくは Pf)の弾き語りってのがいかにSSW像としてリスナー一般に刷り込まれてることか。そこから外れることで異形ぶりがじんわりとにじむ本作。
当人、チェロ他多種の弦楽器を演っていて、Gも使うことは使うんだが、それが全然基本スタイルではないとゆう。
SSW物の場合、バンドサウンド主体でも、民族楽器やら打ち込みやらをフィーチャーしていても、中にポロッと一曲G弾き語り独演があると、それがその人の音楽の原形って気がしちゃうじゃないっスか。思うに、SSW物=身の丈サイズの自作自演と捉えたとき、それを表現する絵姿として、Gや Pf 弾きながらっちゅうのは収まりがいいんだろうね。
そんなお約束的SSWスタイルに当てはめられない音楽家が、にもかかわらずSSW的フォーマットの音世界を追求すると、こうも異な気配が醸されるかってゆう。
クラシックやチェンバーのテイストが散りばめられつつも、コアにギターサウンドをもつSSWとは調味のセンスがずれてるとゆうか、例えば妙にノーブルさや流麗具合が際立ってたり(「妙に」って悪い意味じゃなく、ね)。
ともかく、なんか気になる味なのだった。
5.8.2011
Passionaria

Soema Montenegro

2011 ARGENTINA

フォルクローレベースのエクスペリメンタル系SSWの、メジャーレーベルからの新作。
意匠はなんか当たり障りないものになってしまったが、音的にはメジャープロダクションにしっかり映えるものに。
インディ作を踏襲する作風で、「声も楽器」な歌唱と、饒舌な旋律で空間を充たすタイプとは逆のすき間を活かした実験サウンドとが柱

とはいえ、歌唱から呪術的奇声減量/声楽テイスト増量。このへんがメジャーの匙加減か。
さらに、曲にもよるが器楽の要素が大幅アップ。2曲目にいきなり大型編成の勇壮なアンサンブルが登場して耳を奪われる。
シンプル & ヴァイタルなだけの人じゃなかったのねと、ちょっと驚き。
5.8.2011
VIVO

YUSA

2011 CUBA

南米勢との共演も豊富なキューバの♀SSW/マルチインスト奏者のソロ、ライブ盤。
本人のG弾き語り(Gも巧いが2曲ほど弾くBもかっこいい)とアルゼンチンのマルチ打楽器奏者/クリエイターのMARIO GUSSOのPerとのデュオによるステージ(他ごく少数客演あり)。
近作ソロが「HAIKU」って題だったりして、その心はミニマムなクリエイションの追求であるようだが、今作、ライブとゆう環境設定によって最小の方法で最大の表現をめざす姿勢がより浮き彫りに。
シンプルな音数によって、メロディ(大半自作)の芳醇さと演奏の巧さ & 創意が却って引き立ち、物足りなさなど微塵も感じさせぬ。
そして、なんつっても歌がすんばらし。低く、まろく、滑らかに躍る声が麗しきこと甚だしい。
所属する先鋭ユニット・INTERACTIVOのミクスチャーぶりなんぞから、足し算系才気の人みたいな色眼鏡で遠目に見てたんで(今作チェックしたのもMARIO GUSSOの名前に釣られてだし)、この簡素にしてリッチな世界には驚き。参りましたわ。
5.1.2011
FLUX OUTSIDE

ROYAL BANGS

2011 USA

テネシー産、野郎3人組みの3rd。さほど長くはないキャリアのうちにサウンドや編成が変化してるらしいが、昔のことは知らん
自らの快感原則に忠実に音を作り上げるうえで旧来の様式から自由であるとゆう点において、今日的なハイブリッドインディロック。
今作では具材の配分におけるプライオリティがはっきりしていて、まずはラウドなギターサウンドが真ん中にズドッとあり、そこにアッパーなエレクトロニクス等がメリハリを効かせてブレンドされる。それぞれの具材が互いのダイナミズムを削ぐことなくしっかりと煌めき、一体となって高揚感を生んでるのがナイス。
ラウドだがけっこう構築的な曲の組成(いかすリフを重ねていくようなつくりは、ミニマル〜アヴァンとゆうよりダンサブルな表情)が、エレクトロ要素とよくなじむ所以であろうか。
単純なエモーショナルとは違うニュアンスの豪快サウンドが基調でしっかりとヌケがあり、しかもブレンドが活きてるってことでは、なかなか得難い到達点にあるんじゃないでしょか。
4.28.2011
WHOKILL

TUNE-YARDS

2011 USA

From カリフォルニア。USインディの女傑SSW、Merrill Garbusのソロユニットの新作。
当人の歌唱・打楽器・ウクレレetc.の他、B、各種打楽器、コーラスと合いの手、曲によりGやホーン、ピンポイントのエレクトロニクス & エフェクツをフィーチャーする、贅肉のない骨格サウンド。
これが、リズム & エスノ味を打ち出した80's NEW WAVE〜DIYなUSインディの良い所を今日的に洗練させた音で、いとよろし。
実験精神にあふれつつ風通し良好、ほどよくラフにしてポップ。
アフロ味濃い目な歌メロは、詞やその元になるフレーズを適当な節つけて発したり口の中で転がしてるうちに出来上がったようなっちゅうか、ともかくロジカルに譜面から組み立てるコンポーズとは対極の産物って印象で、ヴァイタルな煌めきがある。サウンドメイクも然り。
活況の続くUSインディ界隈ではあれど、我が道を行き過ぎるでなく、妙に物わかりよくまとまるでなく、気持ちいいヌケ感とクリエイティビティがともにある音ってのは案外に希少かもしれない。
4.24.2011
KHYBER MAIL

SOHAIL RANA

2011 PAKISTAN

パキスタンのコンポーザーの作品。カラチ〜ペシャワールの汽車旅をテーマにしたコンセプトアルバムの由。
パキスタン版「ヨーロッパ特急」(by KRAFTWERK)といっていいかどうか。出だしこそ汽車の出発風景をシミュレートした曲だが、後は旅程が巧く表現されてんのかどうか、よくわからん。
軽音楽団編成によるサウンドは、エレキGやシンセは入ってるものの、総じて思いっきり人力かつアナログ。Perはいるがドラムレスなのでビートは刻まれず、腰に来るよなグルーヴもない。
リズムのエグさを期待すると見事にスカされるが、聴き所はむしろ2011年現在の作品とは思えぬアナクロにしてのどかな風情でしょ。
シタールはフィーチャーされてるけどエスノ味強烈とゆうにはほど遠く、どことなくジャズやら映画音楽やらイージーリスニングで聴いたことありそなフレーズも多く、東西両洋が混じり合った珍妙でレトロなメロディの連続。
微温な音に刺激を受けるとゆうより和んでいるうち、いつの間にか汽車は終点に到着するのだが、結局旅情はどうなったのか、やっぱりよくわからん。
などと書いてしまってからなんだが、これ、半世紀近く昔の作品のリイシューだった。アナクロどころか、当時のモダンサウンドだったかも。今の録音ならかなり思い切った音だなと思ったけど、このイノセントぶりはさすがに狙って出せるもんじゃないか。
4.24.2011
DOIS CORDOES

ALESSANDRA LEAO

2009? BRASIL

♀SSWの作。
曲は大半が当人のもので、ギタリストのCACAPAって人のプロデュースとアレンジ。
明瞭な声質と発声のよくのびるアルトからは、翳りを帯びたパッションが立ち昇ってなかなか素敵。
んで、サウンドの肝はなんつってもその編成。
2〜3人のG(Bの音域もカバーしてる模様)と2〜3人の打楽器とゆうのが基本フォーメーションで、Drレス、鍵盤とか管もなし。そのうえ、いちばんフィーチャーされるのが歪まないエレキとボンボコ鳴る皮の鳴り物なもんだから、サウンドはアコースティックとも電化ともつかず、ワイルドでオルタナな気配が増幅されてるといいましょうか。
この、引き算の妙による音像が、いいのよ。
全編どこを切ってもほぼ同じなんだけど、それは耳障りのよさが均質にキープされてるってことで、飽きない。毛色の違う楽器でアクセントつけたりしてないとこがむしろ潔いね。
サウンド全体のざっくりした感触が際どくもイナタさに転んでないことも含めて、インディペンデントなたくましさが匂ってよろし。
4.17.2011
DAYBREAK

SIERRA HULL

2011 USA

ブルーグラス系、早熟のマンドリン奏者にしてSSWの娘さん(まだ十代?)の新作。
アメリカーナ方面の♀SSWで、自身楽器も演って、しかも腕達者を従えてリーダーアルバムを出せるとなれば、普通に考えりゃ相応のキャリアの持ち主なわけで、つまり大抵は妙齢の姐さんなわけで、姐さんのタイプも出音もタフで苦味含有率それなりの高さのものが多いように思うわけですよ。
けど俺はスモーキィな歌世界にしみじみ浸る聴き手では全然ないうえに、ブルーグラス系ならまずは器楽の躍動感を味わいたいもんだから、酸いも甘いも噛み分けた姐さん方に比べりゃ、この娘さんの歌ににじむ深みがまだまだだとしても(素直な声質だし、実際若いんだし)無問題。
溌剌とした演奏こそが俺には聴き所。
勢いで押すロック系アメリカーナバンドの上を行く巧さと落ち着きに支えられつつ、腕自慢の野郎奏者にありがちなTOO MUCHに陥ることもない
、実にえぇ塩梅の快適さ。インスト曲の盛り具合や熱さなんかも、なんつーかキュート。
年齢重ねて歌唱が熟しても、このサウンドの湯加減をぜひキープしていただきたい。
4.16.2011


2010年9月〜2011年3月

2010年4月〜2010年8月

2009年9月〜2010年3月

2009年3月〜2009年8月

2008年9月〜2009年2月

2008年3月〜2008年8月

2007年9月〜2008年2月

uwatzlla@visitor2.jp


※英語以外の外国語を正しく表示させる技術がないため
(主にアクサンなどアルファベットに付く記号のことですが)
ただのアルファベットのままでお茶を濁してます。
ことにラテン系のアーティスト名や作品名は不正確になること、
承知いただきたし。

作品の国名表示は厳密なものではありません。
CDの生産地クレジットを基本にしてはいますが
アーティストの出身や活動拠点と関係のない国からのリリースの場合
どうにも違和感を禁じ得ず、そのアーティストのプロフィールとして
よりふさわしいと思われる国名を表記することもあります。
参考程度にご理解いただきたし。