Uwatzlla!


DONA MARIA

DONA MARIA

2009 ARGENTINA

フォルクローレをベースにしたオルタナ系インディーバンドの作品。
歌物。♀も♂も歌う。パーカッション、コントラバス、G&SynにSample&Scratchなんかもいる6人組。

フォルクローレ系でモダンなサウンドのソロアーティストはけっこういるけど、グループっつーかバンドサウンドはなかなか目につかないなと思ってたわけですよ。ポンチョ着たおじさんたちの渋いチャランゴ&コーラス的なのじゃなく(それはそれで結構なんだけど)、若い世代のセンスが反映されたにぎやかでポップな音。

てことでは、ちょいとめっけもんかな。
エレクトロニクス使いなんかはまぁ斬新ってほどのことはなく、オルタナ的には大らかなもんなんだけど、サウンドの背後に無音の虚空と乾いた大地の寂寞感みたいなもんがしっかりと感じられる。これは欧米やらのサウンドとは違う、フォルクローレルーツの音であるわいと妙に納得できるのだった。
これからが楽しみだす。

2.27.2009
D'Jolo

DIKES

2009 FRANCE

フランスでキャリアを積んだアルジェリア人SSW♂の新作。
俺、フランス、アフリカともに相性のあんまりよくない地域なんだけど、作風に不思議なミクスチャーテイストがあるというとこにひかれて聴いてみたらば、これは面白かった。
苦手感の元と思われるフレンチな軽さとアフリカの土臭さ&しつこさがいい具合に中和し合ってて、洗練されていながらコシがあるサウンドになってる。
ミクスチャーについては、北アフリカ、フラメンコ、ロマ、ミュゼット、アラブといった手札だが、すべてにアフリカ的リズム感覚が通底してるのがキモ。ビートが伸び縮みするような揺らぎ感やコブシまわし、タメや反復なんかのアフリカンフレーバーが、全編、それこそスパニッシュなギターリフにまで香っていて、新鮮。
アフリカっていうアクの強い素材がよく煮込まれて、エレガントな仕上がりのミクスチャー。俺的にレアでナイス。

2.24.2009
CONFETE E SERPENTINA

MARIA ALCINA

2008 BRASIL

近作ではBOJO(エクスペリメンタルなエレクトロニック系グループ)と組んだりしてるベテラン♀シンガーの、そういう路線の新作。
声が…。実に性を超越してる(俺はカルーセル麻紀が浮かんでしょうがない)。けど、♀だといわれりゃビックリには違いないが、♂だと思って聴くと、さほど印象的な声質ってわけでなし。バカボンパパいうところの「忘れようとしても思い出せない」声ってのは、こうゆうのか。
ってな声で、BOJOも含め何組かの手になるトラックにのり、カバー曲の数々を歌い倒しております。
俺は、プロデューサーでもある
MAURICIO BUSSABとBOJOのトラックが好き。両者に共通するのは、リズムの仕掛けやかっこよさにフォーカスをしぼって勢いよく攻めてくるタイプの、変ではあるが装飾過多ではない骨格っぽさ。
何ともいえぬ声の存在感、オルタナなサウンドと相まって、なかなかに変態度の高い作となっておりますよ。
2.22.2009
PARISH BAR

JEB LOY NICHOLS

2009 USA

ウェールズの田舎で自給自足な生活をしてるというアメリカ人♂SSWの新作。
サウンドは近作の路線。カントリーやらソウルやら、オーガニックな大衆音楽の出汁が効いた豊潤な音。前作はバンド形態だったが、今回はほぼ一人で作ったらしい。アートワークも自前だし、器用な人なんだな。
世捨て人みたいなライフスタイルに似ず、人懐こく温かいムードにあふれてるのが素敵。派手さやエッジの立ったとこはない音なんだけど、大手やチェーン店では得難い、小店の気の利いた雰囲気のような心地よさがあるといいますか。
この人、作を重ねる毎に、枯れるどころかむしろサウンドの血色がよくなってきてるんじゃなかろうか。「LOVERS KNOT」(1997)の頃は、穏やかで端正って印象だったが、今や自然体の華やぎのようなものがにじんでるんだから、うらやましい年季の入り方&暮らしぶり。
2.22.2009
OUTONOS

REGINA SOUZA

2008 BRASIL

ミナスの新世代実力派♀SSWの作品。自作とカバー。
まず、声がいい。
柔らかくまろやかでクセのない、心地よい歌声。
俺、♀Voは適度な歪みとカスレが入ってるのがいちばん好きなんだが、そうゆうのとはまた別の系統で、この声は一等気持ちいい。
サウンドもまたよろし。
レニーニの新作にも参加してるRodrigo Campelloって人がプロデュースと全アレンジをしており、その腕によるものだろうか。デジタル臭さを感じさせぬ打ち込み&エレクトロニクスの下地の上にさまざまな生楽器が絶妙な塩梅でフィーチャーされており、バラエティに富んだ楽曲がさらに彩り豊かに。
結果、ナチュラル&モダンで華やぎにあふれた実に麗しいMPBに仕上がっております。

2.7.2009
BLOSSOM

LONESOME STRINGS

2009 JAPAN

G、ペダルスチール、バンジョー、ダブルベースを基本編成とする、桜井芳樹率いる弦楽器カルテットの4作目。主にインスト。オリジナルとカバー。
古き良き時代の素朴な大衆音楽やトラディショナルのエッセンスを煮込んだようなサウンドは変わらず。どこのものとも言えぬ懐かしい音。
「南の噂」とか「二十世紀旗手」とか、オリジナルの曲名がなかなか素敵。こうゆうのって、いいね。
インスト系の人って、演奏以外の表現にけっこう無頓着だったりするじゃないですか。だから、曲名なんかにもセンスが感じられるってのは、とても好感がもてる。LONESOME STRINGSって名前もいかすわな。
無頓着な人に言わせると「曲やプレイそのものがよけりゃ、飾りはどうでもいい」ってなもんだろうけど、どうせなら、いい曲はいいタイトルであってほしいじゃん。少なくとも、いいかげんなタイトルであってほしくはないじゃん、ってことですけど。
CDの帯に
チチ松村がコメント寄せてるけど、そういやゴンチチも昔から曲名とかをおろそかにしない人たちだな。
2.1.2009
ミチコとハッチン OST

KASSIN

2009 JAPAN

ブラジルっぽい架空の世界を舞台にした日本のスタイリッシュなアニメのサントラを、MPB新世代の要人カシンが手がけたという。
カシンって人の音は、ディテールには面白さがあふれてるのにどこか芯がとらえにくいというか、ガツンとした手応えより趣味性が先に立つタイプって印象をもってたんだけども、サントラっていう器だとハマるね。バラエティ豊かな(悪くいえば、とっ散らかってる)内容はサントラなら普通のことだし、作家としてのアクの強さや主張なんかサントラには邪魔だったりもするしね。
その辺りの相性を考えてのオファーだとすれば、カシンってのはグッドチョイスだと思う。
結果として、本物のブラジル先鋭ポップサウンドに仕上がったわけだから。日本人の作家がブラジルっぽい音作っても、なかなかこの風通しのいい感じは出せないと思うのよ。

あと 、アルバムの中で明らかに浮きまくりのJポップ(タイアップの主題歌)やら、声優が歌うアニソンやらが存在しないというのは、サントラの佇まいとして実に麗しいねぇ。
1.24.2009
SPY

SPY

2009 JAPAN

佐藤奈々子がヴォーカルだった80'S ニューウエーブバンドの唯一のアルバムのリイシュー。加藤和彦プロデュース。
リマスタリング。ライブ+未発表曲からなるディスクとの2枚組仕様。資料性のある解説。と、納得して買い直すことのできる充実した内容。

いわゆる業界ニューウエーブの典型ではあったけど、音楽的にはちゃんと実のあるアルバムで、なかなか好きだったのよ、これ。
佐藤奈々子や加藤和彦の得意とするアンニュイでちょいデカダンな世界(すごく雑にいうと安井かずみワールドのカジュアル&ヤング版)を、コンパクトなバンドサイズのスタイルとサウンドで表現したという、考えたら、当時ちょっと珍しい存在。

ああいう趣味を貧乏くさくならずに表現できるってのは、業界ニューウエーブというか、キャリアのある者ならではだわな。
業界〜では、そのキャリアのあるミュージシャンたちが「バンドで再出発」的初々しさを装うことも多かったけど、このチームはそういったある種泥くさい演出には興味なしって感じで、遊びに徹してたのがセンスいいね。だから、あっという間に撤収しちゃったけどね。
1.17.2009
KiF Express

David "Fuze" Fiuczynski

2008 USA

もはや懐かしくさえあるN.Y.アンダーグラウンドのバンド、SCREAMING HEADLESS TORSOSの変態ギタリストのソロ。サウンドは近作の路線。
ギターはうまい。が、ちょっと油断してるとグニョグニョピロピロで震えがとまらんフュージンスキー節が顔を出すのは相変わらず。

裏街道ではすでに名を成した人だけど、妙に仙人っぽくなりすぎることなく、いいスタンスでキャリアを積んでるね。

演ってることは明らかにオルタナな奇天烈インストなんだけど、トンガりすぎず枯れすぎず、肩の力の抜け具合が絶妙。ジャケのビジュアルみたいな。
性急で激しいところはないものの、テンポも曲展開も自在に変わる。オリエンタルとかアラブとかの薄味エスノフレーバーも全体の色どりを豊かにしてて、とにかく飽きない。

年季の成せる、余裕の「変」。
1.15.2009
Fome Que Nao Cessa

Helio Braz

2008 BRASIL

MPBの♂SSWの作。
ボサ、ショーロ、ソフトサンバ、トロピカルなのとか、多彩なスタイル。

ではあるけれどアルバムは、序盤と終盤のリズムや構成の凝ったにぎやか目な曲の間に、中盤のじっくり聴かせるボサチューンの連なりがサンドされているという、なんかけっこう思い切ったつくり。

中盤のじっくりタイプの曲がボリューム的にもいちばん多いんで、渋さ知らずの俺なんかそこで飽きちゃいそうなもんだけど、聴かせる歌とメロもさることながら、バックを彩るギター以外の楽器も変化に富んでいて、退屈しないのだった。
それに、ボサな曲の数々は巨匠な感じさえ漂う堂々たるものなんだけど、それで徒に敷居が高くならないというか、アルバム全体にポップな味わいがにじんでいるのもいい感じ。

1.12.2009
Leandro Bomfim

Leandro Bomfim

2008 BRASIL

MPBの♂SSWの作。
身も蓋もなくいうと、レニーニっぽい。ちょっとピッチを上げてレニーニを聴いてるような、歌もサウンドも。

ま、こういう芯の通った歌とギター、反復するメロディ、それに音響的にもちょっと凝ったサウンド、みたいなのを演られると、どうしてもレニーニと比べちゃう。そりゃしょうがないやね。
だからって、ただのフォロワーってわけでもない。レニーニの風格とコクの変わりに、こっちには若さがもたらす華やぎとクラブ物としても受けそうなメロウネスがあって、本家とは違った方向にちゃんとアピールするものがある。
だから、これはこれでいいと思うし、こういう人がどう熟していくのか、楽しみだわね。

1.12.2009
Dez Cancoes

ADRIANA MACIEL

2008 BRASIL

MPBの♀シンガーの作。
自作は1曲のみ。あとはカエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、デヴィッド・ボウイなどのカバー。そして、近頃タワレコでプッシュされてるSSWヴィトール・ハミル=VITOR RAMILがもっとも多く4曲書いてる。

歌声は、スモーキーでも透き通るようでもなく、落ち着いたナチュラルボイス。

バックは曲毎の編成だが、全体にシンプル。オーガニックというほど生楽器がフィーチャーされているわけではないが、こちらも落ち着いて柔らかく耳触りのよい演奏。
この自然体にセンスいい感じ、歌もサウンドも、
ヴィトール・ハミルに通じるものがある。それ、ちゃんとわかってて曲を書いてもらってるんだろうね、たぶん。
風通しのよさ、ヌケ感とはまた違った、心地よい密度、インドア感というか。さりげなくナイスな歌物のサウンドってこうゆうの、みたいな。

1.10.2009
danca das abelhas

tonino arcoverde

2004 BRASIL

ノルデスチのSSW♂のしばらく前の作品。
オルタナテイストなし、どころかドラムのビートもないオーガニックなサウンド。
ところがこれが素朴にすぎることなく、MPB的洗練ときらめきを感じさせる何とも豊かで気持ちのいい音。生楽器中心の編成は曲毎に変わり、いずれも過不足のない音数で世界を作り上げてて聴き飽きない。

クセのない清涼感のある声でしっかりと歌うタイプで、この歌唱とサウンドとが相まってひたすら快い時間が続くのであった。
洗いざらし過ぎて清貧な音になっちゃうことなく、瑞々しさと艶が自然にキープされてるってのは、なかなか得難いことだと思うですよ。オーガニック系で、ことポップミュージックの土俵ではね。

年明け早々、いいモンに当たりましたわ

1.2.2009
COYAZZ

CHEBA MASSOLO

2008 ARGENTINA

ギタリスト/コンポーザーのソロ作品。ほぼインスト、オリジナル。1曲だけある歌物はアルゼンチン音響派のケビン・ヨハンセン歌唱。
サウンドの骨格は当人のギターと共同プロデューサーでもあるチャランゴ奏者との弦楽器デュオ。そこにゲストのバンドネオンやフルートが少々。音響的な仕掛けもなく、いたってシンプル。

なんだが、メインの曲調がなんとマヌーシュスイング。他にタンゴとか。
んで、なんつってもキモはチャランゴの音色。

ジプシー物っつったら一般にワイルドで情念の燃える世界でギターもジャキジャキだけど、そうゆう音楽をチャランゴの乾いて穏やかな音(と、こちらもフォルクローレの出汁が効いた柔らかいギター)で演ると、これがエェ感じにまろみのあるウォームなサウンドにメタモルフォーゼ。なんか無国籍な音楽に聴こえてくるから不思議。

1
曲1曲が短めなのも俺好みでナイス。
12.29.2008
P'Twaaang!!!

THE WIPEOUTERS

2008 USA

DEVOのメンバーが中心となったサーフロックバンドの06年作品のリイシュー。BOX仕様だが特典はジャケとおんなじ絵柄のピンバッジ1個。うれしくない。
サーフロックっつっても、それっぽいリフがたくさん使われてるだけで、サーフ特有の快感はあんまりない。ドラムがパワーポップ風にどっしりしてて、サウンドが軽快にドライブしないんだな。

まぁ、DEVOにまっとうなサーフものを期待してもしょうがないんであって、ヘンなロックインスト(歌もあるけど)として聴けばなかなかってとこ。打ち込み感より生音っぽさが強いサウンドメイクではあるけど、奇妙なエレクトロニクス使いもベテランの味わい
DEVOの持ち味たるシンプルでヘンな音は、ミクスチャーとかマスロックとか過剰なのが元気なUS物にあっては意外に新鮮。

それにしても相変わらずテイストレスなジャケ。ニューウエーブオリジネイターであるこの人たちは今もUSインディーの心意気を持ち続けてるんだなぁと、何やら感慨めいたものが。

12.23.2008
書籍 STREET KINGDOM の付録DVD

V.A.

2008 JAPAN

本体の書籍は、日本インディーズ黎明期のキーパーソンの一人、地引雄一による東京ロッカーズ〜初期日本インディーズシーンの回顧録。オリジナル版は1986年にミュージックマガジンの増刊として出ており、この度は新装増補版。
付録として東京ロッカーズ〜テレグラフ系の13バンドの、往時の貴重なライブ映像(ほぼ初出)のDVD。

フリクション、E.D.P.S、コンクリーツ、招き猫カゲキ団にあけぼの印と、俺的にThat's 新宿ロフトなラインナップ。懐。
そして何といっても、くじら。メジャーデビュー前の未音源化曲収録。驚。こんな方向から世に出るとは。
PAを使わないライブパフォーマンスはすでに完成形であり、デビュー前のあの姿こそがある意味純正くじらだったよなと再認識。当時のライブ音源を出してくれたらなぁ。俺は絶対絶対買うんだがなぁ。
12.13.2008
BRASIL EM BRASA

ROGE

2008 BRASIL

MPB新世代の♂の新作。歌物。
アコースティックテイスト豊かなミクスチャーサウンド。サンバとかボサとかレゲエとか。

ジャケを見てストリート的な感じを想像してたら意外や生楽器を多用した音で、モロなオルタナ味はなかった。とはいえ土臭さはなく、洗練された空気を醸してるところがとてもニュージェネレーション。曲調やテンポは激しくもユルくもなく、クールに熱い。エェ感じだす。

因みにジャケのイラストは大作の一部で、歌詞シートの裏面に全体像がある。ぱっと見(たぶん色づかいやタッチから)ヒップホップとかストリートっぽい印象をもったけど、ちゃんと見るとMPB新世代の作品を飾るにふさわしいナイスな味わいでござった。
12.6.2008
LA PLATA

JOTAQUEST

2008 BRASIL

ブラジルロックの中堅バンドの新作。
ブラックミュージックを採り入れたサウンドが特徴で、近作ではロック色を強めてきているという。今作も、ロックテイストは濃い。

そのロックな部分は、これがもしUSAのバンドだったならけっこうベタな感じなのだが、ポルトガル語で歌われ、南米の血肉でプレイされると、そこはかとなく異化されると申しましょうか。

それより、あちこちににじみ出してるブラックテイストのが気になったね。70、80年代のディスコ〜ダンスミュージックをロックバンドのフォーマットで演っちゃいました、みたいな。
このアルバムの基調はロックなんだろうけど、はじけるところではついつい(?)ディスコ! ダンス! な方へいっちゃうとこがなんか妙でよろし

12.6.2008
TAMBONG

VITOR RAMIL

2000 BRASIL

去年、マルコス・スザーノとの共作アルバムを出したSSWの過去作。
ペドロ・アズナールのプロデュース。サンチャゴ・バスケスが打楽器で参加しており、スザーノとはまた違った味わいの、簡素ながらも遊びのあるリズムを聴かせる。

バックの編成は曲毎に違うが概ねシンプルで、フィーチャーした楽器を効果的に響かせるようなサウンド。
柔らかく素直な声で明瞭な歌い方をする人で(くじらの杉林恭雄をちょっと思い浮かべた、比較データが偏向しててアレだが)、この歌によって澄んだムードと丁寧な感じが増幅されてると思われる。
ボブディランのポルトガル語カバーではレニーニとのツインボーカルを披露してるが、レニーニのちょい歪みがかかった声で息を吐き出しながら歌うようなスタイルと好対照で面白い。
11.26.2008
Fitzbeat Years 1983-1985

後藤次利

2008 JAPAN

後藤次利がCBSソニー(当時)のレーベル・フィッツビートからリリースしたアルバム3作「Breath」「INNER SUGGESTIONS」「CITY TRICKLES」のBOXSET。すべて初CD化、リマスタリング盤。
山木秀夫、青山純、大村憲司、富樫春生ら腕利きを擁した、とんがったサウンド。歌物&インスト。

出た当時、よく聴いてましたわ、これら。
かっこいいんだけど、歌物としちゃ弱いし、バリテク見せつけ、泣かせ、癒し、エスニック等々わかりやすい売りがないんで、イメージがつかみずらい音。(あぁ、ちょうどジャケ写みたいな感じ。今だったら、スタイリッシュなアニメのサントラなんかにありそう。でも案外そういうとこが後藤次利の個性なのかもしれん。)
DJ的な聴き方(そのアーティストのトータルキャリアからしてどうだとか、同時代の音楽状況から見てどうだとかって文脈的な分析には関係なく、単純にその音がイケてるかどうかっていう、ね。)の普及した現在のほうが、このサウンドのかっこよさに目を向けてもらいやすいんじゃなかろうか。
11.20.2008
LABIATA

LENINE

2008 BRASIL

オルタナMPBの先達、レニーニおじさんの新作。
あの声とギターだけで、すでに有無をいわさぬ説得力があるわけだが、サウンドも変わらずかっちょいい。今回は、ストリングスやブラス、ヴィブラフォンといった生楽器の使い方が印象的。このへんはやっぱり、MTVライブでのオーケストラとの共演なんかが刺激になったっスかね。

全体的な曲調とかテンポは落ち着いてて、ヤングオルタナ勢のような熱狂や過剰さはない。だもんで、そんなのばっかり聴き慣れた耳からすると、一聴、地味め。
だが
、リピートするだに褪せない鮮度、心地よく張りつめた音像、いつもながらの尋常ならざる楽曲の耐震強度。サウンドだけでも「あぁ、レニーニ」って何となくわかるような、けっこう独特のノリと質感。グレイト。
ペドロ・ルイス&パレーヂの新作(レニーニ共同プロデュース)が俺的には今イチだったんで、正直ちょこっとだけ心配したけど、まったく杞憂だったね。
もはや風格すら漂う、オルタナMPBの王道的アルバムであります。(オルタナの王道って……。でもそんな感じの安定感。)
11.15.2008
21 st Century Girl

BRAZZAVILLE

2008 USA

BECKのバンドでサックス吹いてるDAVID BROWNって人のプロジェクトの新作。こっちでは本人は曲を書き、歌い、ギターその他。バルセロナ録音。
過去作ではエキゾテイスト豊富な展開をしてきており(初期ね、近作はだんだんこっちに近づいてる)、ダヴィなタイトル曲やなんちゃってエスノな「アナトリアの丘」なんて曲にその傾向はあるものの、全体としては落ち着いた印象の歌物。シンプルめなサウンドだけれど侘び具合も適度で、渋めの歌もいい感じ。曲によってはブラジル物のサウダージ感みたいな気配も漂う。
vin、
tp、アコギなどの生楽器や、雨音のSEなど、少ない音数の中で効果的に響かせてるとこにセンスを感じますな。
サウンドメイクは十分に巧いんだけども、どことなくいい意味でのB級感覚といったらいいか、マエストロ的余裕じゃなく「丁寧に作りました」的雰囲気が感じられて、そこがまた好ましい。
11.9.2008
Que Sera

中山うり

2008 JAPAN

アコーディオン他を操る麗しい声のSSWの2作目、じゃなくてフルアルバムとしては初になるっスか。前作に続きS-kenチームがプロデュース&サポート。
ジャケに普通のカッコで登場。凝り気味のいでたちよりこっちのがいいんじゃない?
サウンドはこれまでを踏襲する欧州大衆音楽のミクスチャー路線。とってつけた感はなく、こなれたアレンジと演奏。手堅い。ってか、まず歌を聴かせるというコンセプトだからか、バックは少々行儀よくまとまっちゃってるようにも。
いや、全然それでいいんだろうけど、もっと大胆なアレンジやはじけた演奏にのった中山うりも聴いてみたいなぁ、と。エッジの立ったサウンドと歌が五分に渡り合うって感じならさらにかっこいいし、渡り合える強さをもった声だと思うんだよね。
ま、あくまでミクスチャー物としてなら、ってことでの希望ね。でも本人は歌うことについて、わりとシンプルに考えてそうな気もするしな。じゃ、S-kenチームの暴走に期待するか。そりゃ無茶か。
11.4.2008
SEN NASZLSAN OYLEYIM

YESIM SALKIM

2008 TURKEY

トルコ歌謡のお姉ちゃんの新作。
演歌チックなノド強い系の歌唱。たま〜に北のテレビニュースのチョゴリのおばさんすら彷彿させるような気合いの入った歌いっぷり(だって実際に思い浮かんじゃったんだからしょうがないだろ)。
それはそうと、この作品のキモはバルカンブラスの大フィーチャーぶり。味付けどころじゃなく、ズッタカパラパラというバルカンブラスがまんまどーんとトルコ歌謡にコンバインされちょります。

生楽器によるトラッドは別として、ポップミュージックでは好みのミクスチャーサウンドにあまり出会わなくて、トルコも含め大雑把な意味での中近東サウンドには魅力を感じつつもあんまり手を出さない俺ですが、これはなかなかえぇ按配であります。
大胆に採り入れたバルカンブラスの野太さがいい感じ。こういう歯ごたえのある音を待ってたのよ。
相乗効果なのかしらんが、バルカンブラスがなかったらただ下世話に感じただろうイケイケ(死語)な歌謡ノリも、華があっていいじゃんなんて思えてしまう。
11.3.2008
LIVE2006、LIVE2007

unbeltipo

2008 JAPAN

今堀恒雄のポストTIPOGRAPHICA活動であるところのUBTトリオ(Bナスノミツル、Dr佐野康夫)によるライブ盤×2。
トリオ形態においてはこの方向で落ち着いた模様の、超絶テクによる変でグルーヴィなインスト。旧TIPOに比べてロックテイスト増量に感じるのは、ギタートリオという編成によるものかも。
大雑把にアヴァンorポストロックに括られそうではあるけれど、そっち系の昨今の主流からも実はけっこう外れたストレンジな音。

今堀いうところのリズムの「訛り」とか、ベタな音楽的語彙に頼らず意外な要素(可笑しみとか脱力とか)を使って結果的にかっこいい音楽を創るセンスとか、旧TIPO時代から培われたものが出汁としてよく効いてる。
こういう手札に自覚的でかつ使いこなせる音楽家って、国内外見渡してもごく少ないと思うのよ。故に似たものがいないという。
旧TIPOもUBTもそうだけど、どっちかっつーとハードエッジなスタジオ録音作より多少の荒さはあっても生演奏の太くうねるサウンドのほうが好みなんで、ライブ盤はうれしい。音質も俺的には無問題。
ジャケ色違いで、毎年出してもらえまいか。
10.24.2008
TINTO

YIRA

2007 ARGENTINA

エレクトロタンゴのグループの作品。オリジナル中心。歌物とインスト。
タンゴがベースには違いないが、サウンドはけっこうバラエティに富み、南米ミクスチャー的な印象も。エッジの立ったところはあまり感じられないが、プログラミングやサンプルのセンスはこなれていて聴きやすい。
エレクトロタンゴにはすました佇まいのものが多いが、このグループは音も雰囲気も陽性でユーモアもあり、そこが珍しい。

思うにこの人たちは、タンゴの継承者たる矜持に負けず、まずはポップミュージックたらんとする意識が高いんじゃなかろうか。

それ、大事だよね。
こういう柔らかいスタンスのグループがもっと出てきて思い切ったことするようになれば、タンゴ界隈、より面白くなるんじゃないかと思いますです。
10.23.2008
CANON(花音)

WORLD STANDARD

2008 JAPAN

鈴木惣一朗率いるワールドスタンダードの新作。生楽器アンサンブルによる穏やかで心に染みるインスト。♀コーラスが入って、初作を思わせる曲もあり。
生楽器による和み系インストってのもこの頃じゃ珍しくないけど、これは、よく聴くと意外にありそでないタイプかも。音響やユルいムードに頼ることなく、けっこう構築的なサウンド。しかも大所帯ってところが。

ペンギンカフェを率いた故サイモンジェフスに捧げるというクレジットも、何となく腑に落ちる。

俺、1985年の初作がとってもとってもフェイバリットで。大筋ではオーガニック路線の近年の鈴木惣一朗作品を聴くだに、ついつい1stの素晴らしさに思いを馳せてしまう。
トータルなキャリアからすれば生硬な出来なのかもしれないが、アナログとデジタル、和みと刺激などにおいて奇跡的なバランスの傑作だと俺には思えるのよ、1st。
あの路線の再来を夢見る者としてはですねぇ。今後、生楽器アンサンブルを熟成させていくのはいいとして、そこに、ちょいと電機な味を足してもらえないかと思うわけです。今どきなエレクトロニカ味なんかじゃなくて、人肌な感じの機械テイスト。鈴木惣一朗ならできる、と思うわけです。
10.21.2008
You and Me and the Mountain

maps & atlases

2008 USA

んで、こちらが「地図と地図帳ども」の新作「あなたと私と山」。5曲入りミニアルバム。
歌もサウンドも整理され、落ち着いてまいりました。どこいっちゃうかわからんスリリングさは薄まり、曲が複雑に展開してもちゃんと地に足がついてる感じ。

ミニマルな要素がぐんと増量されて、ま、ぶっちゃけ、さらに
foalsに似てきたわな。
これはこれでいいんだけど、前作の、初期衝動が凝縮されたような勢いのよさにひかれた俺としては、ちと寂しい気も。

ジャケがなかなか素敵。このバンドのこと何も知らなくても、これならジャケ買いしたかもな。
10.20.2008
tree,swallows,houses

maps & atlases

2006 USA

シカゴの野郎4人組バンド。雑にいうとアメリカのfoals。Vo+G、G、B、Drという編成。
マスロック色の濃い高速複雑サウンドにのった歌物、素っ頓狂にはじけるVoなど、ぱっと聴きはたしかにfoalsが浮かぶんだが、よく聴くとけっこう違う。
foalsの音はミニマルな構造が肝だけど、こっちはGやBが動きまくり、変化の連続でどこまでもいっちゃうような感じ。
マスロック系ポストロックシーンは活況が続いてるけど、何しろ俺が偏食なもんで。「そこで轟音はいらん」「サイケな展開はいらん」「もっと高速複雑にはじけてくれよ」とわがままばっかりだと、なかなか「これは」ってのに出会わなくて。

これは、久々にナイス。
余計なお世話だがバンド名はmapsかatlasだけの
がよくない? 素っ気なさがそれっぽいと思うんだけど。
10.19.2008
TROTAMUNDO

CARLOS MAZA

2008 SPAIN

スペインで活動するチリ人マルチインスト奏者のソロ作。G、チャランゴ、ピアノ、フルート、サンポーニャなど、すべての楽器を自らこなしてのワンマン録音。全曲インスト、オリジナル。
ブラジルインストの異才ジスモンチや
エルメート等の影響下にあるといわれるのもうなづける、複雑で躍動感のある曲。
生楽器メインでフォルクローレテイストも濃いが、土の匂いや空の高さはあまり感じさせない。いや悪い意味じゃなく。何というか、プログレ風フォルクローレとでもいうようなストレンジな味わい。

アナクロなジャケが目に留まり、そこに描かれたアルマジロ(だよな?これ)にアンデスの匂いを嗅ぎとり、ひょっとして変かもと思って買ってみました。

10.18.2008
Tangus Bonaerensis

Ofidio Dellasoppa y Las Cuerdas Flojas

2006 ARGENTINA

タンゴギターラ3人衆。インストと歌物。オリジナルとカバー。カバーはタンゴクラシックから同時代のものまで。
遊びにあふれた姿勢で(ナンセンスっぽい歌詞とか、コスプレとか)、大衆音楽としてのタンゴをまじめに追求するってスタンスの人たちらしい。何にせよ、肝心の演奏がバカテクなので説得力がある。いやその前に気持ちいい。
思えばアルゼンチンタンゴってのも、魅力的ではあるけれどなかなか手を出しづらい世界で。
王道のものは伝統芸能的に敷居が高くて俺には渋すぎるし、昨今流行のエレクトロタンゴはこっちの予想を超えて新鮮なものがなかなかなくて、となるとミクスチャー系の音楽にタンゴのエッセンスを味わうくらいしか手がなかったわけですよ。

こりゃ、いいね。
上手い。親しみやすい。オルタナではないけど発想が自由で前向きだ。
ギターもいいけどどうせならバンドネオン入りのグループで、こういう人たちにもっと出てきてほしいもんだす。
9.30.2008
FINO COLETIVO

FINO COLETIVO

2007 BRASIL

ブラジルの若手野郎バンド。歌物。
Vo&Gがやけに多いなと思ったら、メンバーには外で別バンドのフロントを務める奴も何人かいる由。MPBヤングジェネレーションのスターチームらしい。曲もそれぞれが書く。
ミドルテンポ中心で、整理されたサウンド。溌剌さよりも落ち着きを感じさせる。さすが若手実力派っスな。

ヴィブラフォンっぽいのとかピョ〜ンとピッチダウンする電子音などバックに鳴り続けるロングサスティン音も、ちょっとした味付け程度のプログラミングも、シンプル目のサウンドの中ではとても引き立って聴こえる。センスいいねぇ。
ブラジルオルタナってえと高密度なサウンドが多い(でもヌケ感があるところがすごい)気がするけど、これは意外にクールな佇まいで(あんまり凝ってないようで隠し味が効いてる的な)、そこが新鮮。
9.30.2008
Traz a Pessoa Amada Em Tres Dias

CANASTRA

2004 BRASIL

ブラジルの若手野郎バンド。歌物。
ロカビリーとか、アメリカのちょい懐メロチックでドライヴィンなギターミュージック(タランティーノが好んで使いそうなの)を、今日的な南米の心と身体で演りましたって音。
本家アメリカのバンドなら息切れしつつ気合いで乗り切るようなところも余裕のプレイ。爽やかにハジケてます。

ポルトガル語のエレガントな響きもあって、実になめらかで快適な仕上がりに。曲も粒が揃ってる。
音的にはギターの気持ちよさに加えて、ウッドベースが印象的。サウンドにぐんと奥行きが出る感じ。
07年の次作ではブラスが加わってニューオリンズジャズテイスト増量。それもなかなかだが、こっちのが好きだな。
9.30.2008
Ajde Dado

ZARAGRAF

2007 FRANCE

フランスで活動するジプシー系ミクスチャー楽団の4作目。
4人とも歌い、皆マルチプレイヤー。G、Perc、チューバ、Tp、アコーディオンetc.、ドラム&ベースレスの変則。曲毎に編成はどんどん変わる。
♀Voは歪みの入った子供声、
♂Voは3人ともジプシーキングスっぽいしゃがれ気味の声、それぞれ味があってエェ感じ。キャバレースタイルというか、芝居っ気のある歌いぶりだけど、バタ臭くはない。
サウンド面ではフラメンコ&バルカンテイストが印象的。オルタナでもエクスペリメンタルでもないが、強度と色気のある歌と演奏に心をつかまれる。
音数少ない変則編成ながら音世界がきっちりできあがっていて、ロックフォーマットからすれば破格であるにもかかわらず不足を感じさせぬ佇まいに、逆に抽象的なオルタナ感さえ漂うといいますか。
CD+DVDパッケージで、DVDにはCDと1曲もかぶらないどころか曲数も多いライブが収録されてるという太っ腹。その味なモノクロ映像にも引き込まれる。ライブも4人だけで演ってんだ、とちょい感動。
9.27.2008
Balkaninis

Balkan Playboys

2003 ITALY

伊レーベルからだが、ハンガリーのグループでブダペスト録音。
LATIN PLAYBOYSを意識したであろう箇所は特に見当たらない。

アコーディオン、Vin、Perc、カヴァル(縦笛)、ブズーキ、タンブーラetc. による5人組の非電化インストサウンド。

トラッドとオリジナル半々。
汎バルカンなミクスチャーサウンドを目指しているようだが、このアルバムに関しては、スローで朗々とした曲がない。高速ユニゾンばっかり、それと変拍子。そこが珍しく、俺的に喜ばしい。
生楽器のアンサンブルで速く激しめのものを演られると、電化サウンドの音圧になじんだ耳にはどうもパンチが弱く感じるってのは否めない。が、そこは按配が肝心で、ポピュラー音楽を半端にかじってどうにもダサいもの作られても困る。ジャケを見る限り、このおじさんたちじゃその方向はちょっと心配だ。
だから、これはこれでよし、と思いたい。
9.26.2008
Trans Balkan Express

OMFO

2004 GERMANY

ウクライナ出身の♂のソロプロジェクトがOMFO=our man from Odessa。
06年に出たレトロフューチャーなデザインのアルバムはなかなかよかったが、これはそのまた前作。

サウンドの骨格はオールドテクノ(クラフトワークとか)の血を引くエレクトロニックミュージックだが、そこに自身のルーツである東欧〜ロシアテイストが融合することで、ストレンジな味わいを生んでいる。
東欧系が打ち込みと合わさって成功した例をあまり知らないが、これは両方がよく消化されててしっくりきてる。
ちょいレトロ味のする打ち込みとアコーディオンっぽいシンセ(時として生のアコーディオン)のヒラヒラピロピロした節回しの組合せは、クラブ系トラックにバルカンブラスみたいな今ドキ感に比べるとけっこう地味でいなたいが、それがかえって「旧共産圏産のモンドな音楽」みたいなミステリアスさを醸していて、いい感じ。
9.20.2008
NICTOGRAFO

LUCIO MANTEL

2008 ARGENTINA

朴訥で優しくちょいかすれ気味の声が印象的な♂SSWのソロ作。当人は歌とG。あのMARIANA BARAJが1曲歌でゲスト参加。
フォルクローレルーツの人らしく、静かに熱く澄んだ空気が漂う。
サウンドはオーガニックでことさらにオルタナ味はないが、要所に音響的小技が効いている。

バックの編成は曲ごとに変化する。パーカッションや E & Aギター、バイオリン、チェロ、コントラバスなどなど、鮮やかで立体的な音像。
結果として実にモダンな印象。えぇ感じの洗練ぐあい。アルゼンチン音響派以降のMPAっすな。
9.6.2008
PARTY INTELLECTUALS

MARC RIBOT'S CERAMIC DOG

2008 USA

マークリボーのニュープロジェクトはなんとギタートリオ。そのうえ歌物もあり。全員歌うし、ゲストVoもあり。歌は、まぁご愛嬌。
ギタートリオっつってもベースはMoogも操るし、もう一人はパーカッション+
Electronicsというクレジットだし、さらには一発録りでもなし、仕上がりは4〜5人編成くらいのアヴァンロックバンドの音と変わらない。
このごろUSAのアヴァン系(ポストロックっすか)ではいきのいいバンドが豊作なんで、マークリボーといえど、ノイジー&インプロばっかじゃ霞んじゃうかもなんて心配しながら聴いたらば、意外やバラエティに富んだ内容。

若手の勢いはないけど、手札の豊富さならさすが、一日の長がありますな。
インプロもいいけど、こういう確かなテクをベースにしたヘンテコロックをもっと聴きたいもんだす。
9.6.2008
i nuvoli

Jacopo Martini

2005 ITALY

イタリアの若き実力派マヌーシュギタリストのソロ作。
G、
B、Vin、クラリネット、アコーディオン、ヴィブラフォンという編成。皆、手練れ。オリジナルとスタンダード。
東欧産のロマ物のようなラフ&ワイルドさはなく、丁寧かつ流麗なプレイ。それが物足りなさとはならず、逆にかゆいところに手が届くようなツボを心得た気持ちよさ。

ジャケットにjazz manoucheとあるけれど、それだけでなく、イタリア北部的哀感やら地中海の明るさまで漂い、意外なミクスチャーテイスト。狙ったっていうより、自然とにじみ出る味だと思うが。
イタリア北部的哀感ってのはニーノロータとかドナドナみたいな寒村風情を言ってるつもりなんだけど、そんな味をうまく抽出した作品になかなか出会わなくて。それがこういう方面から来るとは意表をつかれたね。
9.1.2008


2008年3月〜2008年8月

2007年9月〜2008年2月

uwatzlla@visitor2.jp


※英語以外の外国語を正しく表示させる技術がないため
(主にアクサンなどアルファベットに付く記号のことですが)
ただのアルファベットのままでお茶を濁してます。
ことにラテン系のアーティスト名や作品名は不正確になること、
承知いただきたし。