Uwatzlla!


The Same and the Other

Ahleuchatistas

2008 USA

ノースカロライナの3ピースバンド、2004年作品の、TZADIKよりの再発。マスロック度高し。
プログレ・アヴァンギャルド方面の人が、ノーエフェクト、ノーダビング、ノーエディットというやり方(今堀吉田コンビの逆だ)を選択した時点で、マスロックに接近するのはとても自然な流れな気がする。彼らの美意識を表現するのに、マスロックはとても有効な手札には違いない。

TZADIK=NY=前衛=インテリと、難しそうなイメージが先行するきらいがなきにしもあらずだが、このバンドの印象はインテリジェントよりもまずフィジカルで、TZADIKっぽくない。
じゃあ何っぽいかってぇと、ポップな色使いだが味のない絵のジャケといい、ぜんぜんファッショナブルじゃない本人たちのカッコといい、これぞ正調USインディーズって感じ。いい意味でぼんくら。
だけど中味はちゃんとかっこいい音なんだから、USインディーズって懐深いやね。
2.25.2008
Gipsy Soul 1969-1979 ACHILI FUNK

V.A.

2007 SPAIN

現在のバルセロナにおけるミクスチャー系の盛り上がりのルーツを探るがごとき、1969〜1979のバルセロナ界隈のレアグルーヴ集。日本でいえばカルトGSとかモンド歌謡のコンピみたいな雰囲気。
んで、これを監修してるのがなんとCKBの剣さん! 最近スキンヘッドにしたらしい。というのは大嘘で、シャーリーブラウンという人。しかしイラスト激似。

資料的充実度が高く厚いブックレットがついてるんだが、メインのスペイン語テキストの他、英訳、そして日本語訳が付いてる。こういうマニアックな商品のマーケットとして日本は重要だということなんだろうか。それにしちゃ妙に直訳調のこなれの悪い文章だったりして
。かえって謎度が増している。
ネタ的スタンスで紹介してみた。

2.23.2008
FRAGILE BEAUTY

Huong Thanh & Nguyen Le

2007 GERMANY

在仏ベトナム人のシンガー♀とギタリスト♂のデュオ4作目。
ベトナムの伝統音楽をベースにした浮遊感溢れる東南アジアンサウンドに、柔らかくノーブルな歌声がたゆたうようにのるという構造は変わらず。

舌の経験値の低い輩が高級懐石を喰いつつ「上等なんだろうけど、この薄味じゃ飯のおかずにならねぇな」などと台無しなことを頭に浮かべるが如くに、前作まで、上品で淡いサウンドにあとひと味の物足りなさを感じ続けていた雑な耳の俺ですが、今作はいつにも増してサウンドが面白く感じられた俺の雑な耳です。

今回は全体に和琴(宮崎恵美子って人)がフィーチャーされているが、琴の適度に硬さと張りのある音色が、サウンドによいテンションを与えている感じ。
変にジャパネスクな気配をにじませることもなくサウンドに溶け込んで、東南アジアミクスチャーのストレンジな音世界の絶妙なスパイスになっており、チョーキング過剰のベトナムギターやフレットレスベースの醸すぐにゃぐにゃ感も引き立って聞こえる。

2.23.2008
DOTS

yoshida tatsuya imahori tsuneo

2008 JAPAN

異能の(ギタリスト今堀恒雄+ドラマー吉田達也)=デュオ作第2弾。
スピード、切れ味、変拍子全開のハードでとがった音。
マスロック的快感度数もなかなかのもんです。
因みにマスロックが数列的だとすれば、これは円周率やルートの高速計算のような感じなのだが、我ながらよくわからん例えだな。
ともかく、マスロックってのは、余分な要素を削りに削って残ったエッセンスを、冷静な制御のもとで思い切り炸裂させる音楽だと思うんだが、そこに通ずるストイックさとクールネスを感じる作品だと。

最近、バトルズのブレイクに乗っかれとばかりにマスロックをアピールして紹介されるバンドに「マスロックにしちゃ贅肉多いんじゃないの」と違和感を覚えることが多かったんで、 この作品にことさら上物のマスロックのにほひを嗅いでしまったのであった。
2.17.2008
Flight7

PARIS MATCH

2008 JAPAN

ここしばらくカバーものやベストが続き、久々のオリジナル7作目。
彼らの音は、自分たちのフェイバリットである欧米ポップスのような音楽を日本語環境で試みたらこうなったという結果であって、70〜80'sの日本のシティポップの再構築をダイレクトに目指したわけではないと思う(流線形とかが後者のタイプか)。
というようなことは置いといて、あたくしは一貫して、最良質な和物アーバンミュージックとして聴いてます。歌詞に感情移入して何かしらのカタルシスを得るために音楽を聴くということのほとんどない自分のような者には、余分な主張や情感過多なところがなく、ただただ気持ちよく聴けるPARIS MATCHのようなポップスというのは、昨今、たいへん貴重な存在であります。

レコード会社が変わり、ジャケ写に当人たちが登場するようになった。プロモーション的にはセオリーなのかもしれないが、Jポップにありがちな男女ユニットみたいに安く見えるんじゃないかと。余計なお世話ざんした。
2.17.2008
F TO G

FILO MACHADO & GENNOSHIN

2008 JAPAN

ブラジルのシンガー/ギタリストであるフィロー・マシャードとパーカッショニスト安井源之新によるデュオ、2003年の作品のリマスタリング再発。ボサノヴァ方面のスタンダード曲とオリジナルが半々。
フィロー・マシャードは自由奔放にずんずん行く。繊細にして変幻自在なスキャットやギタープレイ。
安井源之新は手堅いプレイでそれを支えつつ、エンジニア/プロデューサーとして、全体をクリアで丁寧な音像にまとめあげている。
2人の持ち味が絶妙にブレンドされた作品。
2、3曲はさまれるパーカッションデュオのインプロ小曲が、アクセントとしていい味。
2.9.2008
tierra de agua

LOS NUNEZ CON RUIZ GUINAZU

2007 ARGENTINA

アルゼンチン北東部リトラル地方の伝統音楽方面からの新世代実力派。オリジナルを含む作品。
バンドネオン、ギター、パーカッションの生楽器トリオにベースがゲストで加わるオーガニックな編成。
一見ヒーリングもののようなジャケは静謐な世界を想像させもするが、さにあらず。
素朴で清澄な音でありながらも、演奏は躍動感にあふれ、テクニカル、そして情感豊か。ノスタルジックかつ繊細なバンドネオンの音色が鮮烈。
伝統音楽をホームにしながらも、ユルくいなたくならず、心地よい張りとグルーヴ感をキープしているあたりが期待の新世代たる所以か。
1.21.2008
FREILACH TIME!

GOLDEN STATE KLEZMERS

2006 USA

アメリカ西海岸のクレズマーグループの作品。
コンテンポラリーな意識をもったクレズマー系ミュージシャンの音というのは往々にして、革新や挑戦を続けてクレズマーっぽさから遠くなっていくか、ミクスチャーを進めた結果クレズマーのテイストが相対的に薄まるか、なじみにくい難解な古典の研究に向かうか、いずれにせよ無責任でわがままなリスナーの期待するようなベタなことはなかなかしてくれないようになるもんです。当事者の気持ちからしたら、そういうもんなのかもしれないが。

That's klezmer! って感じのが聴きたいぞと思ってたら、これが久々直球ど真ん中の作品であった。
生楽器中心の過不足のない編成に、半端なギミックのないタイトな演奏。あの、明るいんだか暗いんだか、哀しい運動会のようなThat's klezmerの音が詰まっていて、無責任でわがままなリスナーは満足しました。
1.15.2008
E CACO DE VIDRO PURO

CASCABULHO

2005 BRASIL

ノルデスチ(ブラジル北東部の音楽)の若手実力派バンドだそうで。
エレクトロニクスやエフェクツによる味付けはほんの少しで、圧倒的に生楽器によるグルーヴが支配する音像ながら、オルタナな気配もしっかりと漂う。
全編めくるめくパーカッションの嵐というか、とにかくリズムの多彩さに耳を奪われる。

元気のよいコーラスや合いの手は、ちょいペドロルイス&パ
レーヂを思わせる部分もあり。
1.14.2008
Isaac's dry tree

ODESSA KLEZMER BAND

2000 HUNGARY

ハンガリーのクレズマーグループの、ちと古めの作品を入手したが、なにしろジャケットデザインがCOOLなのでご紹介。
流れるようなバイオリンが際立つだけに音全体の骨格はやや細めで、クラリネットから何からが一体となったクレズマー独特のうねりを期待するぶんにはちょっと物足りない。
ラストの曲ではバルカンミクスチャー系の雄 Besh odroMにも参加のDJ MANGOがスクラッチで加わり、いい塩梅にはじけてます。スクラッチはともかく、この曲の骨太加減と音圧がアルバム全体にあればなぁ、と。
1.14.2008
Toda Vez Que Eu Dou Um Passo O Mundo Sai Do Lugar

Siba e a Fuloresta

2007 BRASIL

ブラジル北東部のミクスチャー系ユニットのリーダーでバイオリン奏者のSibaが、管楽器と打楽器からなるユニットFuloresta do Sambaと組んだ作品。
後半、曲によりギターやエフェクツなどがごく控えめに入るが、基調はブラスとサンバ系打楽器をバックにした歌とコーラス。この編成には意表を突かれた。
凝った音響やにぎやかなミクスチャー、あるいは流麗なギターワークなどに聴きなじんだ耳からするとなんとも朴訥な音像だが、これもまたオルタナなブラジル。新鮮なり。

松本大洋を5割増で不気味にしたようなイラストが印象的なアートワークもいとおかし。
1.4.2008
satolep sambatown

VITOR RAMIL+MARCOS SUZANO

2007 BRASIL

VITOR RAMILというSSWとpercussion masterスザーノの共作。
全曲作曲VITOR RAMIL。ロック的激しさ、ラテン的熱さともに控えめ、といってメロウすぎもせず、ちょっとフォルクローレっぽい清涼感も感じさせる落ち着いた良曲が揃っている。

スザーノはそれほど前に出てこないがツボを押さえたプレイ。リズムがらみの面白いエフェクツや打ち込みは彼によるものだろう。
12.29.2007
KEIICHI SUZUKI CM WORKS ON ASSOCIATES YEARS

ONアソシエイツ音楽出版

2008 JAPAN

CM音楽制作会社ONが制作したCM音楽のうち、鈴木慶一の仕事(98年まで)をまとめたもの。
インストより歌もののほうが多く、ムーンライダーズの曲の原型もいくつかある。

派手に才気走ってはいないが、オーソドックスというにはヒネりが効いており、そのヒネりのセンスは、アカデミックな出自によるものではなく市井の音楽マニアとしての蓄積に由来するように感じられるっつーか、生来のキャッチーさっつーか。いや鈴木慶一という人のことですけど。
CM音楽というのは機能性に特化してるぶん構造もシンプルで、ある部分で通常の作品よりもアーティストの特性がよりダイレクトに表れる気がする

12.29.2007
LA BOMBA DE TIEMPO

LA BOMBA DE TIEMPO

2007 ARGENTINA

アルゼンチンのオルタナパーカッショニストSantiago Vazquez率いるパーカッション集団(Per13名+Tp1名)によるライブ盤。
この手の打楽器集団のセッションていうと、ユニゾンとかソロ合戦ばっかで曲の構成が大味だったり、大人数であることの勢いや音圧頼みだったり、個々のプレイに注目してみるとけっこういいかげんだったりしがちで、生演奏を聴くならともかく、アルバム1枚通して退屈せずに聴けるものって、そう多くないと思う。

が、これは、ほぼ打楽器のみの編成なのにリズムの絡みが凝っていて、曲としてかっこいい。個々のプレイにもこしがあり、大所帯に埋没せずにしっかりと機能している。
いやぁ、南米の底力を感じさせられますな。リズムにおけるアベレージの高さとボキャブラリーの豊富さが違う。
11.21.2007
TECHARI LIVE

Ojos de Brujo

2007 SPAIN

バルセロナのミクスチャーバンドの06年末のライブ。
メンバー+ゲスト総勢20名近くによる、ほぼ人力によるテンションの高い演奏。いい意味で金太郎飴的にどの曲にもフラメンコ〜ラテンテイストがあふれる。
スタジオレコーディングの作品では打ち込みやスクラッチなどヒップホップ的な要素もそれなりにフィーチャーされているが、このライブの音は9割5分人力。そこがよい。
ミクスチャー系のバンドがヒップホップテイストを取り入れている場合、そのセンスが陳腐なことがけっこうある。Ojos de Brujoはその点で陳腐とまではいわないが、さりとて画期的とも思えず、ならばライブで半端にそっち方面の比重を増やし、それに合わせることで生演奏のダイナミズムが削がれるよりも、フラメンコバリバリのファンキーなプレイが聴きたいじゃありませんか。と思ったらその通りの音で、いとよろし。
11.21.2007
エトランゼ

中山ウリ

2007 JAPAN

アコーディオンを弾き、歌う、自作自演の女人。
「さすらいのエトランゼ」「猫のしっぽを追いかけて」なんちゅう文化系な曲名やエキゾ趣味のジャケや衣装を見るにつけ、不思議ちゃん偽装の実は凡庸なJ-POPかとの懸念が広がりましたが、杞憂ざんした。

これで、例えばYUKIの劣化コピーみたいな声でイノセントぶりっこな歌唱だったりしたら、ほれ見ろハズレじゃんとなるところが、予想を裏切るこの声。
paris matchのミズノマリをマイルドにしたような、しっとりした大人声。この声を堪能するためのアルバムであり、他いっさいは些末な事柄であります。いや別に音がどうでもいいってわけじゃなく、生音主体のサウンドもちゃんと歌を引き立ててます。因みにS-kenプロデュース、彼のチームWorld apart Soundがバッキング。

11.21.2007
Redemoinho

PAULO FREIRE

2007 BRASIL

ブラジルのジャズ〜インスト界の異才ギタリストである由。
全曲PAULO FREIREの作、当人はアコースティックギターを使用。他に
チェロ、サックス、パーカッションなどシンプルな編成。
曲調はスリリングなものとメランコリックなもの。どの曲も楽器の音色が鮮烈で、演奏はほどよいテンションに満たされており、飽きない。
ほとんど
ジャケ買いだが当たり。さすが俺。
11.1.2007
O REI DA CULTURA

PERICLES

2007 BRASIL

アルバムタイトルは「文化の王」って意味だとか。
Pericles Cavalcantiって人はベテランのアーティストらしい。写真を見てもおじさんだし、声の枯れ具合も若造のものではない。多彩な楽器を使用した人力中心の演奏は全体にアナログな肌触りで、エレクトロニクスや凝った音処理はごく控えめだ。
が、不思議とたちのぼるオルタナな気配と申しましょうか。レニーニ等ブラジルオルタナ勢にも通じるストレンジな感覚にあふれている。
曲の構造もアレンジもそうとう凝ってるが難解ではなく、どの曲も楽しく涼やか。短めの曲が多く、全17曲、するっと聴けちゃうところも素敵。

11.1.2007
NON BANDIN' LIVE/NON BAND

NON BAND

2007 JAPAN

元は80年と82年に出たアナログ盤(「NON BANDIN' LIVE」はソノシート!)。ともにライブ音源や未発表テイクを大幅に追加してのCD化(「NON BAND」は90年にいちどCD化)。
なんつっても
Vo+BのNONの声がツボ。歌い方も含めてイミテーションのチーボーによく似てると昔から思ってたが、わかりずらい例えで申し訳ない。
シンプルな編成(Vo+B、Dr、Vinの変則トリオが基本、サポートでG、Key)で、いわゆるロックっぽい語彙に拠らずに演る元気な音楽。後に国産ニューウエーブで流行るどんどこドラムのジャングルビートものの先駆的存在でもあったと思う。
10.31.2007
バンドネオンの豹

あがた森魚

2007 JAPAN

1987年の作品の再発。タンゴ3部作の1作目。
ボーナストラックとしてセゾンカードのCMにも使われた賛美歌
「星の界」のフルヴァージョン収録。これが当時から大好きで、この1曲のためにこのアルバム買い直したようなもんです。
因みにあがた森魚はこのところ旧譜再発しまくりで、ヴァージンVS.も全作出たが、ボーナストラックが既発表曲のデモ約2曲ずつってショボいんじゃありませんか。未発表曲とかライブ音源とか、デモなら全曲分くらい入れるとか、既にCDもってる者が十分納得して買い直せるような商売をしてくれとゆいたい、結局買い直しちまった身としては。
10.31.2007
MASK DE 41

三宅純

2004 JAPAN

3年前の作。邦画のサントラ。
音はスパニッシュ〜ラテンがメイン。伊丹雅博のギターも冴える。
まんまGIPSY KINGSな歌モノもあったりするが、そこがいい。GIPSY KINGSとかフラメンコを聴いて気持ちよく感じる部分のエッセンスをギュッと抽出した音がツボをつく。
オリジナル作品の隙なくハイな仕上がりにくらべると、サントラのほうがいい意味でわかりやすく風通しもよくて、聴きやすい。

「プープーの物語」とかアニメ「牙」とか、三宅純のサントラ仕事はどれも好き
だす。
10.31.2007
Stolen from strangers

三宅純

2007 JAPAN

久々のオリジナル作。全作曲三宅純。Arto Lindsay、Vinicius Cantuaria、渡辺等、伊丹雅博、山木秀夫らが参加。
Arto Lindsay、
Vinicius CantuariaというN.Y.発ブラジル系の二人がかなりフィーチャーされていて、彼らの音にも通じるひんやりとしたサウダージ感が漂う曲が印象に残る。が、ブラジルオンリーなわけではなく、曲調はいろいろ。
三宅純作品というと、ふだん聴かないけれど、たま〜に聴くとけっこう面白かったりする。

聴いた瞬間から、いい! ヘビロテ決定! となるほどに心をつかみにくるタイプではないと思うんだが、ともかく、すごく悪くないのだ。悪くなさが実にハイレベルなんで、加えて参加メンツが毎度豪華(俺的に)だったりして、結局手放さずにいるっていう。

すごく悪くないって、なかなかいいってことか?

10.24.2007
MY NAME IS

SPANK HAPPY

2007 JAPAN

ハラミドリVo.時代の2作再発のうち、94年のミニアルバムのほう。こっちのボーナストラックは既発のシングル曲ばっかだから、買わなくてもよかったじゃん、と、今この文章打ちながら気づいた。
1+1が2以上のものになる幸福な出会いの貴重なサンプル。
菊地成孔のコンセプト+ハラミドリの歌唱が、仏作って魂入れた状態に到達したといえようか。各々の後の活動をみると、ハラミドリは飾り気のない魂を見せる芸風に傾き、菊地は精妙な仏を刻み続けているように見えることからしても、幸福な出会いとは実にレアなのだと思える。

むか〜し窪田晴男がポップスの効能には刺激と安息の二つがあるというようなことを言ってたけど、その両方ともよく効きます。

因みに「仏を作る」って、少々皮肉の意味を込めて使ったけれど、仏像観るのも好きだぞ俺は。

10.24.2007
JUNGLE・DA

S-ken

2007 JAPAN

85年の作の初CD化。音、良くなってる。
ラテン&ストリートミュージック of 東京という、以後に続く路線のお披露目的作品。

S-kenは歌唱や作詞において、こなれた表現の得意な、達者な人ではない。こと歌については声質の問題が大きく、いわゆる色気に乏しい声であり、ラテン方面を演るうえではけっこうなハンデだと思う。
実際、この後、バックを務めるホットボンボンズが腕利き揃いの強力なバンドとして熟していく
ほどに、これでS-kenの歌がうまけりゃなあ、もう少し味のある声だったらなあと、もどかしさが募ったものである。
が、
このアルバムの時点ではコンセプトもバンドもいまだ固まってはおらず、作品全体の雰囲気もいい意味で企画モノっぽい遊び感覚というか、B級でキッチュなムードが漂う。そういう中ではS-kenの不器用さもさほど気にならず、楽しく聴けるのだった。
10.24.2007
The Stiff Recordings

ELECTRIC GUITARS

デジタル配信オンリーにつきジャケなし

2006 UK

80年代初期に活動したUKのバンドが当時スティッフレコードに残した音源をまとめたもの。たぶん未CD化。
80's NEW WAVE(洋)の中で、
リズムの面白さやエスノ趣味を打ち出した系統では最フェイバリットのひとつである。当時、米英の白人アーティストがそっち系を演ると、リズム的ボキャブラリーの貧しさから、パワーはあるけど一本調子になってしまう例がけっこうあったが、そういう中でこのELECTRIC GUITARSやBOW WOW WOWは抜けていたと思う。
プリミティブなドラミング、太くうねるベース、ワイルドな合いの手、円熟には遠いが勢いのあるインディーな気配など、俺的にはかっちょいいNEW WAVEのお手本といいたい
収録曲
には不満あり。シングル数枚しか出してないんだからコンプしてくれりゃいいのに。82年にサントリーのCMにも使われた曲“BEAT ME HOLLOW”がショートヴァージョンしか入ってないのはすごく悲しい。
10.18.2007
CUENTOS DE UN PUEBLO ESCONDIDO

QUIQUE SINESI

2005 ARGENTINA

モダンタンゴ方面?のベテランギタリストの、スパニッシュ7弦ギターやチャランゴなどによる独奏。
非エレクトリックなギター独奏というと上品だが単調気味なクラシックっぽいのを想像しがちだが、曲調も演奏も心地よい起伏に富み、フォルクローレの匂いも漂ったりして、新鮮。

曲は短めのものが多いので飽きずに聴ける、か? いや、17曲もあるので一気に聴き込んだらちょっと飽きるかも。BGMとしてはベリーナイス。

10.15.2007
THE SHEPHERD'S DOG

IRON AND WINE

2007 USA

キャレキシコとの共演とか名義センスから、静謐で地味目なアメリカーナを演るひげの大男(壮年、職人肌、ストイック)みたいなイメージをもっていたんだが、今作を聴いて印象が変わった。実際ひげ面ではあるらしいが。
アメリカーナも主要な手札には違いないが、他にもたくさんひきだしをもったモダンなセンスの
ソングライターであった。
様々な弦楽器を使用した演奏やほどよいエスノフレイバーのアレンジによって、曲調はカラフルかつポップ。メロディもよいだす。

9.22.2007
el disco de tu corazon

Miranda!

2007 ARGENTINA

80'sのエレポップやら打ち込みディスコの世界を男女ツインVoで繰り広げる。
あの
80'sの仰々しくも底の浅そなロマンチックぶりとか浮かれ具合もラテンの皆さんがやると堂に入ってるというか。はまってるだけじゃなく何やら天然の毒気もしくは変態味すらにじみ出ており、それが単なる懐古趣味以上のエグみとなっているような。
9.22.2007
pelicano heaven

TOYONO

2007 JAPAN

昔から、女性Voはハスキー気味なのが好きなのだ。気味ってところが大事で、スモーキーっちゅうか潰れた声はダメで、かすれつつまろみもなきゃいけない、たとえば太田裕美とか。ちなみにその対極であるところの、ちわきまゆみ的ロリ声はまったく受けつけない。いちいち例が古いが。
その点、TOYONOの声
は実にツボなんであって、それだけでもアリだが、音もていねいに作られていて気持ちいい(本格的ブラジルもので、歌はポルトガル語。スザーノも参加)。音響に、多くのMade in 南米ものにあるようなヌケた空気感が出てたらもっとよかった。
9.21.2007
Margarita y Azucena

Mariana Baraj

2007 ARGENTINA

フォルクローレ方面の女性パーカッショニストで歌も歌う。
歌い手かつ打楽器奏者である
からだろうか、音は、まず歌ありきという感じではなく、全体にリズムとその絡みが印象的なつくりで、「声もひとつの楽器」的なアプローチもみられる。
音響にはフォルクローレもの独特の清澄感が漂い、オーガニックなだけでなく、アクセント的にエレクトロニクス&エフェクツが効いている。

9.21.2007
FLORATONE

Matt Chamberlain/Bill Frisell/

Tucker Martine/Lee Townsend

2007 USA

全曲メンバー4人の共作だそうで、クレジットをみると、Matt Chamberlainはドラマーだが、あとの2人はともにproductionとある。Tucker Martineはエンジニアとしてもクレジットされているから、かのLatin Playboysのような編成なのだろうか。だったとしても、Latin Playboysほどにコラボの妙というか異化作用は働いていないような。
音は、Frisellのソロ作品よりビートがくっきりとしており、ゲストプレイヤーのコルネットが多少フィーチャーされていたりするものの、Frisellのギターが入るとどうにも世界はFrisell色なのであった。Frisell印たる幽玄なアメリカーナテイストはさほど濃くないものの、ソロ新作といわれてもあまり違和感はない。
9.21.2007

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uwatzlla@visitor2.jp


※英語以外の外国語を正しく表示させる技術がないため
(主にアクサンなどアルファベットに付く記号のことですが)
ただのアルファベットのままでお茶を濁してます。
ことにラテン系のアーティスト名や作品名は不正確になること、
承知いただきたし。